TOEICはなぜ必要なのか?勉強のコツとメリットを解説

旅行や、出張・転勤で海外に行くことが増え、海外サイトを訪れるときにも英語が必要ですよね。
最近では自分の英語レベルがわかる、TOEICのテストを受験する人が増えています。

海外に支店がある企業やアメリカの日系企業などは、TOEICのスコアを採用基準の項目にする企業も増えるなど、英語が必要なビジネスパーソンには必須ともいえます。

ですが、必要だとわかっていることほど三日坊主で終わってしまいがちですよね。

そこで今回は、TOEICのテストを受験してみようかなと考えている方に、独学での勉強のコツなどをご紹介します。

TOEICってなに?

TOEICの名前は知ってるけど、TOEICって結局なんなの?という方のために、まずはTOEICについてご説明していきます。

TOEICの正式名称は「Test of English for International Communication」で、日本語に訳すと国際コミュニケーション英語能力テストのことです。
教育テストや評価を実施する組織として世界最大の非営利民間財団である、アメリカの教育試験サービス(ETS)が実施し、日本では国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が実施しています。

ETSは、TOEFL「Test of English as a Foreign Language 」という、日本語に訳すと外国語としての英語のテストも実施しています。
TOEFLは、英語が母国語ではない国の人達が、アメリカやカナダなどへの進学する際の英語スコアとして使われています。
ですが、日本をはじめアジア圏では圧倒的にTOEICの受験者数が多数です。

TOEICには以下の5種類のテストがあり、

  • TOEIC Listening & Reading Test
  • TOEIC Speaking & Writing Tests
  • TOEIC Speaking Test
  • TOEIC Bridge Listening & Reading Tests
  • TOEIC Bridge Speaking & Writing Tests

世界150カ国以上で、約700万人が受験しています。

TOEICというと、一般的にはTOEIC Listening & Reading Testのことで、このテストは年に10回ほど実施され、日本国内では約250万人が受験しています。

TOEIC Listening & Reading Testは、英語によるコミュニケーション能力を幅広く測るテストで、聞く・読む力を重点的に測ります。
「身近なシーンからビジネスまで、幅広い場面でのコミュニケーション英語能力を身に付けたい」「初級から上級まで同一のモノサシで英語能力を確認したい」という人向けのテストです。

MEMO
リスニング約45分間とリーディング75分間のテストが実施され、記入はマークシート方式、満点は990点で、5点刻みのスコアで評価されます。

TOEICはなぜ必要?

英語がわかる(聞いて読める)

TOEICListening & Reading Testスコアが900点以上になると、英文の細部まで理解できて高度な英文や長文もわかり、さらには英文で的確に質問や指示、要求ができるレベルといえます。
ですが、よくいわれているのは、TOEICのスコアが良いからといって英語が話せるとは限らない、というものです。

確かにListening & Reading Testは、聞く・読む力を重視しているので、英文向けのテストであって、英会話のレベルを測るテストではありません。

とはいえ、英語を使えるようになるには慣れることが一番です。

注意
聞いて、読んで、ネイティヴの人達と実際に話せるようになるには、まずは英語への苦手意識を克服して、自信を持つことがなによりも大切です。

TOEICで高スコアを取れば、英語への苦手意識が無くなります。
高スコアが自信となって、積極的に英会話にもトライできるようになります。
もし英会話が聞き取れなくても英文を書いてもらえば理解できるので、問題なく意思の疎通ができます。

企業が採用の基準にしている

先ほども書きましたが、多くの日本の企業がTOEICスコア英語レベルを測る基準にしています。

ヤフー、楽天、KDDI、トヨタ、ホンダ、日産、JAL、ANA、キリン、日清、花王、サンスター、外務省、経済産業省などなど。

これらはほんの一部で、多くの大手企業やアメリカにある日系企業が、TOEICスコアを英語レベルの基準にしています。

スコアが高いと向上心や努力することをアピールできる

オックスフォード大学出版局が、TOEICの学習を指導する講師向けに作成した資料によると、スコア550から650にアップするには225時間750には450時間850には725時間が必要とされています。

TOEICスコア550は日本人の平均点で、高校卒業レベルの英語力にあたり、普段英語を使っていない社会人相当です。

TOEICで高いスコアをとれるということは、目標に向かって努力し続ける人物であるというアピールになります。
また、TOEICのテストに出やすい問題を予想する力や、文章の読解力、出題の意図を読み取る力などがあるとも認識されます。

海外で働ける(収入が高い仕事ができる)

高いスコアをとれるほど英語に堪能であれば、英語圏の企業や担当者とのメールでのコンタクトやコミュニケーションをとる立場になれます。
海外赴任や留学なども問題ありません。

ブロガーYouTuberミュージシャンDJとして世界をまわることもできます。

国外へのハードルがますます下がってきている現状から、今後さらに英語の必要性が高まるでしょう。

英語というスキルがあると、より収入の高い職種に就いたり、仕事をすることが可能となります。

プログラミングがわかりやすくなる

2020年から小学校でプログラミングが必修科目となっているように、プログラミングが身近なものになってきています。

プログラミングのコードは英語で書かれていて、プログラミング言語を解説しているサイトも英語で、わからないことを質問するためにも英語が必要です。
TOEICで高スコアをとれるほど英語がわかっていれば、プログラミングのコードの意味も理解しやすくなります。

独学でのTOEICの勉強法

TOEICの勉強法にも、他の資格や試験と同じように独学スクールがあります。
ここでは主に独学について進めていきますが、スクールについても簡単にご紹介します。

スクールには、一般的なスクールコーチングスタイルスクール英会話教室があります。

一般的なスクールはレッスン形式のグループレッスン。
コーチングスタイルは、生徒1人に専任のコンサルタントがついてマンツーマンレッスンが受けられます。
大手の英会話教室にはTOEICコースも用意されていて、英会話を学ぶのと同じようにレッスン形式のグループレッスンです。

MEMO
とはいえ、TOEICで高スコアをとるにはスクールに通うことが必須ではありません。

英語を「楽しく学ぶ・話す」を応援するメディアのペラペラ部が、2018年4月2日~4月5日に、TOEIC受験経験者500人に対して独自に行ったネットアンケートでは、スクールに通っていない・・・91.0%、スクールに通っている・・・9.0%の結果が出ました。
そのうちスコア700以上とれた人は、スクールに通っていない・・・35.4%、スクールに通っている・・・51.1%でした。

スクールに通っている人のほうが高スコアの結果となりましたが、スクール代や通う時間などからすると、必ずしもスクールが良いとは言い難いのです。

ビジネスパーソンや大学生が、独学で高スコアをとる方もたくさんいます。
ネットにはTOEICで高スコアの実績のある人が、その方法を無料で提供していたり、質の高い有料サイトや参考書などもあります。

ということで、ここからは独学でTOEICの勉強をする際のコツをご紹介していきます。

TOEICの勉強のコツなど

高校卒業の英語のレベルが、TOEICスコア550〜600に相当します。高校までに習う基礎英語がわかっていればこのスコアはとれるので、そこからさらにスコアアップのための勉強をする際のコツです。

目標を明確にする

TOEICスコアとできる仕事や就ける役職の目安としては、600〜695上場企業の一般社員700〜795上場企業で海外と関わる部門800以上になると外資系企業や海外赴任もあります。

TOEICスコア600から履歴書に記載できるようになり、楽天は社員の平均が830ほどです。

スコアが高くなればなるほど評価も上がります。

注意
TOEICで高いスコアをとることが目的ではなく、その先にある目標のために高いスコアを目指す、ということを忘れないようにしないといけません。
上がり下がりのある数字のスコアばかり気にしていると、努力を続けるのは大変です。

TOEICで高スコアをとれるほど英語がわかれば、海外に移住できる、ニューヨークに住んで本場ブロードウェーのミュージカルを見に行くなど、明確な目標があると高スコアへの勉強も続けられます。

小さなことを積み重ねる

日本のプロ野球とアメリカのメジャーリーグで多くの記録を残した、イチローさんは「小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道だ」の言葉を残しています。

TOEICのスコアが600から、すぐに800以上になろうとしてもかなり難しいでしょう。

あまり先のことを意識し過ぎずに、今やれることを着実に積み重ねていくことが、高スコアにつながっていきます。

英語に慣れる(映画や音楽を聴く)

普段から英語に慣れておくことも、TOEICスコアのアップに効果的です。
Spotifyで英語の曲を聴いたり、YouTubeや映画を英語の字幕付きで見たり、海外のサイトを見てみたり、とにかく英語に触れるようにします。

英語への苦手意識を無くして、英語が特別なものではないと思えるようになれば、TOEICのスコアアップにも繋がります。

記憶力が高まる午前中に勉強する

人が長期の記憶力が最も高まる時間帯は、早起きしてからの午前中であるとの研究結果があります。

2016年に東京大学大学院の研究グループが、夜行性のマウスに積み木の形を学習させる研究を行うと、起きてすぐの夜に覚えた積み木の形は、24時間経過しても記憶していたという結果になりました。
最も記憶力が高まっていたのがこの時間帯で、これを人に当てはめると午前中になります。

MEMO
確かに、学校でもお昼を食べる前のほうが頭が冴えていますよね。
給食後の眠気ときたら…..

長期の記憶力が必要なTOEICの勉強をするなら、午前中がおすすめです。

誰かと一緒に勉強する

スクールのメリットは勉強する仲間がいることなので、ぜひ独学にも取り入れましょう。

一人で勉強をしようと思っても、つい怠けてしまいがちです。
誰かと一緒に勉強していれば、常に見られているという意識が働くので休めなくなり、もしさぼろうとしても止めてもらえます。
一緒に勉強している全員にとってプラスに作用します。

TOEICを勉強するなら誰かと一緒にするのがいいでしょう。

TOEICの勉強が続かない理由

TOEICの勉強が続かない理由の代表的な例もいくつかあげていきます。
これらの点に気をつけて、勉強を継続してください。

上達している実感がない

TOEICに限らず勉強全般にいえることですが、成果が見えにくいと、モチベーションの低下に繋がります。
英会話ではなく、英語の読み・書きのテストであるTOEIC Listening & Reading Testなら尚更です。

そんなときは、映画で英語の字幕を理解できるようになってきたとか、日本語で言いたいことを英文で書けるようになってきた、以前より模擬試験のスコアが上がってきたなど、どんな些細なことでもいいので成長を実感しましょう。

それが自信やモチベーションになります。

ハイペース過ぎた

スコアをアップすることに一生懸命になり過ぎて、それまでの生活リズムが大幅に崩れてしまったり、趣味や遊びの時間が全く無くなってしまうなど、TOEICばかりに集中し過ぎてしまうと、どこかで息切れしてしまいます。

アスリートの毎日のトレーニングや筋トレでも、負荷をかけ過ぎてしまうと逆効果になってしまうこともあります。

英語がわかるようになって、海外旅行や海外で働くことのためのTOEICのスコアアップです。
TOEICのスコアアップのために英語の勉強を止めてしまったら、本末転倒になってしまいます。

ノッてるときはペースを上げて、モチベーションが低いときには少し休むなど、無理せずに勉強を続けることが最も大事です。

時間がない

働きながらや学校に通いながら、TOEICの勉強をするのはストレスにもなります。
それまでの生活のなかにTOEICの勉強時間をプラスするのは大変ですよね。
この場合は、何かの時間を減らして勉強時間に変えることです。

ぼんやりとネットやテレビを見る時間などをTOEICの勉強時間に割り当てたり、早起きして家を出る前に勉強するなど。

もし映画やテレビ、YouTubeを見るなら英語の字幕にしましょう。
英文の海外セレブのゴシップ記事を読むのも、セレブのイメージがわかっているので、文章の意味がつかみやすいかもしれませんね。

楽しくない

勉強を続けていると、どうしても当初の楽しい気分や向上心が落ちてきてしまいます。
楽しくないことを続けなければいけないのは苦痛ですよね。

そんなときは、長居できるお店で勉強したり、勉強する部屋を変えてみたり、マンネリ化しないように気分転換を意識しましょう。

英語を使って、好きなときに好きな場所で、収入が高くやりたかった仕事をしている自分をイメージしてTOEICの勉強に向かいましょう。

アプリを使って勉強する

いつでも好きなときに英語に触れられるように、スマホにアプリを入れておくのもオススメです。
アプリなら、TOEICの勉強をしようと意気込まなくても、ちょっとした空き時間に勉強できるので便利ですよ。