手ツボを押して疲れを取ろう!【効果・症状別】

手は家事・炊事からデスクワークまでこなし、身体の部位の中でも1番働き者の部位といったも過言ではありません。

神経が集まる感覚器官でもあり、たくさんのツボが集中して、それらを刺激することでさまざまな身体の不調を取り除いてくれます

今回はそんな手のツボを刺激して身体のコンディションを整えるマッサージを紹介していきます!

ツボを押すと身体の調子が良くなる仕組み

よくテレビや雑誌などで「○○に効く○○のツボマッサージ」と紹介されているのを目にしますが、なんで効果があるのか疑問に思う方もいるでしょう。

ツボは東洋医学の考えが由来で、身体の中を巡る「気」「血」「水」の循環を調整するポイントとして存在しています。

「気」・・・身体をめぐるエネルギー。生命活動の原動力となるものを指します。
「血」・・・血液とそれに含まれる栄養。不足は肌のシミや万病の元「冷え」の原因になる。
「水」・・・リンパ液や汗、鼻水などの血液以外の身体の水分。

なにかのキッカケでそれらの流れが滞ったり、不足していまうと身体に悪い症状が出てきます。

そんな時は人間の身体に365個あるツボを症状に合わせて押し、血圧や体温を調整している自律神経を刺激します。

この刺激を脳の視床下部が受け取り、各臓器・器官を活発化させる信号を送ることで働きが回復するという仕組みです。

【東洋医学における病理】

①気虚:気が不足・低下した状態。

元気が出ない、すぐ疲れる、倦怠感、無気力、胃腸虚弱、腹力軟弱、免疫力低下といった症状が現れます。

②気逆:気の流れが不安定になっている状態。

発作性の頭痛、嘔吐や咳(肺気逆)、冷えのぼせなどの症状が出るようになります。

③気滞:気が局所で停滞し、働きが滞った状態。気鬱(きうつ)とも呼ばれる。

精神神経症状が見られ、抑うつ、憂うつ、喉のつまり、腹・胸の張り感などがあります。

手をマッサージする動作のコツ

手をマッサージでケアする際、揉む・押すなどのさまざまな動作を行います。

繰り返し行う動作なので、コツやポイントを学ぶことでマッサージの効果を最大限引き出すことができます。

【ほぐす】

マッサージをする前に、指で全体をほぐすして温めておきましょう。

ほぐすのとは反対側の親指を用いて、グッと力を入れて、強弱をつけます。

痛すぎない心地いい強さで押すことを心がけましょう。

【押す】

手のツボを教えていくとイタ気持ちいい部分があり、そこが身体の中で不調がある箇所です。

そこを見つけたら1分以上じっくりと押し続けましょう。

よりピンポイントに刺激したい時は、棒状の物を使いましょう。

【さする】

疲れ切って余力がない時は、さするだけでも効果があります。

指先だけでなく、指の腹を使って優しく刺激しましょう。

撫でるようにして行うのを意識するとやりやすいです。

【温める】

手を温めてマッサージを行うと効果的ですが、冷え性の人はなかなか温まりづらいです。

そんな時はヘアドライヤーを使って1分程度温めれば大丈夫です!

ドライヤーは冬の寒くて手が温まりにくい時期でも活躍してくれます。

抑えておきたい手のツボ10選

手の平と手の甲でのツボで効果があってなおかつ見つけやすいツボをピックアップしてみました!

スキマ時間や思い立った時にギュッと押すだけで効果が得られるので、ぜひ真似してみてください。

【手の平】

①後渓(こうけい)

後渓は肩のこり・痛み、目の疲れの他に精神面にも効果があります。

見つけやすいツボの一つで、小指の付け根(関節)の出っ張りの下の凹みに存在します。

感情線の下を親指でグッと押し込んで刺激しましょう。

②労宮(ろうきゅう)
メンタルに悩みを抱える人は覚えておきたいツボです。

自律神経を整え、ストレスや疲れ、緊張を改善する働きがあります。

拳の真ん中にあり、手を握ったとき、中指と薬指の先・中間にあります。

③心穴(しんけつ)
怒りや不安から来るイライラを鎮めるのに効果的です。

中指の第一関節のど真ん中に存在しています。

深呼吸しながら10回程度押しましょう。

④胃腸点(いちょうてん)

暴飲暴食やストレスが原因の胃痛、下痢といった消化器の不調に効果があるツボです。

中指を内側に曲げたとき、指先が接する点から手首に向かった中間地点が、胃腸点です。

⑤心門(しんもん)
イライラや不安感を和らげ、緊張をほぐして不眠を改善してくれます。

手首の内側、小指側の横ジワの上あたりにある少しくぼんだところ。

親指で心門、残りの指で手首を掴んで、5秒間押すを5回繰り返します。

【手の甲】

①合谷(ごうこく)
手のツボの中でも万能といえるほど多くの症状に効くのでぜひとも抑えておきたいツボです。

人差し指と親指の骨が交わる部分のくぼみにあります。

親指の腹を当て、小指の方向に向けて骨に当たるように押し回します。

②商陽(しょうよう)
人差し指の爪の生え際の親指側にあります。

胃腸の働きを活性化させるほか、顔のむくみにも効果があります。

③少沢(しょうたく)
小指の爪の付け根の外側にあります。

疲労回復、疲れ目、体力を蘇らせる働きがあり、内臓機能を高め、泌尿器官の血行を活発にさせ、機能もアップします。

膀胱炎にも効果があります。

④腰腿点(ようたいてん)
人差し指と中指の骨の分かれ目と、薬指と小指の骨の分かれ目。片手に2点あります。

手の甲を反らせ、人差し指と中指の筋の間で、甲の1/3ほどにあるツボが腰腿点1です

疲労による腰痛や突然のぎっくり腰にも効果があります。

⑤小骨空(しょうこっくう)
小指の第一関節の中心にあります。

そこを反対の手の親指と人差し指で挟むように押して刺激すると眼精疲労の効果がある。

手のツボと腕のマッサージは効果抜群!

ここでは手のツボと同時に前腕を中心とした、腕も含めたマッサージを紹介していきます。

手だけでなく腕にもツボはありますので、両方刺激してより良い体調に整えましょう。

不眠・不安に効く手ツボ&腕マッサージ

心身ともに緊張している時は手先が冷えやすいですが、手を温めることでリラックスできます。

やり方

1.手をお湯で温めたら、腕の関節から手首まで撫でます。
2.手首にある「心経」を優しくさすって緊張を解きます。
3.腕の外側のライン「小腸経」もなでさすります。
4.手のひらを軽くもんで「大陵(だいりょう)」と「神門」をやさしく撫でます。
5.指を1本ずつゆっくり引っ張ったあと、指が反らしてパッと手のひらを開く。
6.腕の真ん中にある「郄門(げきもん)」を3本指でやさしく刺激する。
7.血圧を下げる効果のある「十宣(じゅっせん)」をひとつずつこする。

脳を活性化させる手ツボ&腕マッサージ

指先はダイレクトに脳へ達するので、手ツボマッサージはリフレッシュや集中させたい時に非常に効果的です。

仕事で疲れた時やアイディアが必要な、ツボを押して脳の回転数を上げましょう

やり方

1.マッサージする手を温め、爪の周りと指先を丁寧にほぐします。
2.第1関節を左右に軽くひねります。終わったら第2関節も同様にします。
3.ピアノを弾くイメージで、親指から順に机に指をつけていきます。
4.手をグー、パーする運動を繰り返します。

首・肩こりに効く手ツボマッサージ

腕は身体よりも常に前に出ており、首も連動して同時に前に行きがちです。

手においては中指が、頭~首の部位に相当しますので中心にマッサージしましょう。

特に中指を反らせる動作は、首や肩をほぐす効果があるので入念に行います。

やり方

1.前腕全体を軽くさすります。
2.肘から手まで順に軽く握っていきます。
3.手の平に達したら、開いて各指先まで揉みましょう。
5.中指を反対の親指・人差し指・中指で挟み、付け根まで刺激します。
6.真上に反らせ、その後他のいろんな方向に反らせます。
7.合谷のツボを押して刺激します。
8.前腕を伸ばすストレッチを行い、腕全体をリラックスさせます。

眼精疲労・ドライアイに効く手ツボマッサージ

目を酷使すると気・血を消耗しすぎて、さまざまな目のトラブルが発生してしまいます。

指の関節のツボや根本を中心にマッサージを行うことで、血流を改善しましょう。

押しにくいところがある場合は、先の細いモノでピンポイントに刺激します。

やり方

1.手全体を軽く揉みほぐします。
2.爪の生え際、各指の第二関節の順に丁寧にマッサージします。
3.合谷と手首付近を揉んでいきます。
4.前腕を伸ばして、スッキリとリフレッシュしましょう。

ちょっとしたスキマ時間があれば手ツボマッサージで体調を整えられる

これまで手のマッサージについてお伝えしてきましたが、想像していた以上にツボがあると思われたのではないでしょうか。

手は末端の部位ですが、体内の臓器と繋がっており、そこを触ってイタ気持ちいい部位があれば不調をいうことです。

スキマ時間に手を揉んでおく習慣を身に着けるだけでも、コンディションの乱れ・悪化を事前に防ぐことができます。

すでに悪い部位がある方は、そこだけ処置するのではなく、繋がっている手のツボを押してみてもいいでしょう。

ぜひ今回の記事を参考に手ツボマッサージに取り組んでみてくださいね!