絶対取得!【保育士】についてまとめてみた Vol.2

Vol.1に引き続き、今回は、保育士になるために取得しておきたい資格の「保育士資格」について、その試験内容や勉強方法、就職・転職・スキルアップに至るまでを見てまいりましょう。

保育士の受験資格

保育士の試験を受験するにあたっては、最終学歴による受験資格がそれぞれに定められています。

全国保育士養成協議会のホームページ

卒業なのか、卒業見込みなのか、在学中、または中退なのかによって詳細は変わってきます。

ここから分かることは、保育士資格の良いところが、年齢にも最終学歴にも関係なく、思い立ったその時から目指せる資格であるということです。

実際に自分の子供が保育園にお世話になり、保護者の気持ちがよく分かるようになってからだったり、自分の子育てが落ち着いて子育てへの理解が深まってからだったりと、それからでも目指せる資格なのです。

保育士の試験概要と合格基準

では、実際の保育士試験の概要と合格基準を見てまいりましょう。

保育士試験は年に2回、実施されています。

各回それぞれに筆記試験(4月と10月)実技試験(6~7月と12月)があり、

筆記試験は土日2日間かけて行われ、実技試験は筆記試験の約2か月後の日曜日に行われます。

筆記試験は9科目で、下記の科目です。

筆記試験

・ 保育原理
・ 教育原理
・ 社会的養護
・ 児童家庭福祉(令和2年から「子ども家庭福祉」に変更となります)
・ 社会福祉
・ 保育の心理学
・ 子どもの保健
・ 子どもの食と栄養
・ 保育実習理論

科目数は多いですね。ですが、一度合格した科目は3年間有効なので、一度の試験で全科目に合格できなかったとしても、再度挑戦していくことができます。

1回目の試験であらかじめ数科目を合格しておき、2回目の試験で残りの科目を合格する戦略だとしたら、忙しい方でも自分のペースで勉強していくことができるでしょう。

9科目全てにおいて6割以上正解することで合格となります。

科目試験に合格後は、実技試験が待っています。

実技試験は3分野で、下記の分野です。

実技試験

・ 音楽
・ 造形
・ 言語

この3分野の中から2分野を選び、6割以上正解することで合格となります。

実技試験の合格率は95%と高いので、実技試験よりも筆記試験での9科目6割以上の正解が合否を分けていると言えるでしょう。

保育士試験の難易度・合格率

受験しようと思ったときには、試験の難易度や合格率なども気になりますね。

過去10年間の統計では、合格率は20%台と低く、今後もこの水準であることが予想されています。

その間、受験者数は40,000人から70,000人に増加していますが、
10人の受験者がいたとしたら、合格者はその内のたったの2人ということになります。

合格率が低い原因はなんでしょうか。

一つには、試験内容が広範囲に及んでいるということです。

それから、筆記試験9科目において、その中で難易度に差が出るように作られており、

毎年2、3科目が極端に難しく設定、出題されているためです。

保育士試験に合格するための勉強方法

試験内容を知り、合格基準を把握したなら、次は試験に向けた準備が必要になりますね。

日々の仕事と独学を並行して受験し、合格を目指されている方もいらっしゃるでしょう。

在学中から臨み、合格を目指されている方もいらっしゃるでしょう。

そのどちらもが、実際に合格された方の中にもいらっしゃるんです。

つまり、合格率は20%台と低く、国家資格ではありますが、対策次第で攻略できる資格とも言えますので、効果的な勉強方法によって、合格を手にしていきましょう。

勉強方法の種類として、独学、通学、通信講座があげられます。

自分の性格や費用の面から考えていけば、どれが自分に適しているのか、案外スムーズに決まってくるでしょう。

独学が向いている人…

・ 自分に厳しく勉強を続けられる性格の人
・ 自分の好きな場所、好きな時間に勉強したい人
・ できるだけ費用を抑えて取り組みたい人

通学が向いている人…

・ 勉強のペース配分まで教えてもらいたい人
・ 一緒に頑張る仲間を見つけたい人
・ 実技試験のアドバイスまで受けたい人

通信講座が向いている人は、独学と通学の中間の位置づけと考えて良いでしょう。

基本的に、通学や通信講座では、合格のためのノウハウが提供されています。そのため、その道のプロによる合格に向けた内容に期待が持てます。

合格~保育士登録

保育士試験に合格すると、「保育士(保母)資格証明書」を受け取ることができます。
ですが、これを持っているだけでは保育士として勤務を開始できません。

まずは、登録事務処理センターから「保育士登録の手引き」を取り寄せましょう。

保育士の登録先は各都道府県になりますが、手続きは各都道府県から委託を受けた登録事務処理センターにて行われます。(https://www.nippo.or.jp/hoikushi/

次のステップとして、登録手数料を払い込み、申請に必要な書類を準備、提出します。
その約2か月後に「保育士証」が郵送で公付され、これで登録完了です。

ここまでで、勤務開始に必要な準備が整ったことになります。

また、合格後に、登録から交付までのこの手順を行わなかったからといって、保育士資格を失うことはありません。

さらに、一度保育士登録を受け、保育士証が交付されれば、その後更新を行う必要はなく全国どこででも保育士として働くことができます。

保育士への就職

未経験の場合でも、保育士の資格があれば、正社員としての求人は多いです。

統計的には、保育士の人数が多い保育施設の方が、保育士がゆとりを持って働いており、そのため施設の雰囲気が良いという特徴があります。

安心して働いていけるかどうか、できれば実際に見学に行って、自分の目でも確認してみましょう。給料や勤務時間、残業の有無のほかには、以下の項目もチェックしてみてください。

・ 保育士の子どもたちへの接し方はどうか
・ 働いている保育士に話かけたときの対応はどうか
・ 施設内の状態は清潔か
・ 施設の方針や上長の人柄はどうか

保育士の転職と傾向

現在の職場環境に対する不満を自分の力では改善できないなど、そんな場合は、転職に向けて、前向きに動き出してみましょう。

保育士は3月末での退職が基本です。

これは、卒園、進級のタイミングでの退職が、子どもたちや保護者への負担を一番少なくおさえられるからだと言えます。

自分にとっても、新年度の4月から働き始めることは、子どもたちや保護者との関係が築きやすいというメリットがあります。

そのため、保育士の求人は4月入社が最多です。

また、逆算してみれば、10月頃に求人を出す保育施設が多いので、保育士の求人が増えるタイミングとして、合わせて頭の片隅に入れておきましょう。

ただ、社会的には保育士不足に悩まされている現状のため、年間を通して転職しやすい業界・業種ではあります。

また、保育士は資格を持っていれば何歳になっても働いていける仕事です。

特にその経験年数が長い場合には、転職を機に主任や施設長を目指すこともできます。

つまり、40代、50代で転職をすることも十分に可能なのです。

そういうわけで、転職先については、長期的に、あせらず落ち着いて探していくことがポイントです。

保育士の給料・年収

最新のデータを参照すると、保育士の賃金は月額229,000円、年間3,421,000円となっています。(勤続7,7年、平均年齢35.8歳の場合)

「平成29年度保育士及び幼稚園教諭の平均賃金等の実態について」

政府も「技能・経験に応じた処遇改善」を打ち出していて、国家対策として保育士の支援を行なっていますので、キャリアアップと共に、今後の給料・年収には期待が持てそうです。

また、同じ保育士でも、勤務する土地柄や勤務する施設の種類、雇用形態などでその賃金は異なってきます。

始めから給料の高い施設にしぼって就職先を決めていくことも良いですが、見学時、面接時にそんな話をすることができれば、収入アップを見込める施設を判断して、転職していくこともの一つの選択肢となるでしょう。

保育士のスキルアップ

保育士になってからは、保育士という枠の中でのキャリアアップだけでなく、他の分野や業界もそっと眺めてみて、応用が利きそうなスキルを身につけていくのも、面白いものです。

例えば、アンガーマネジメント、マインドフルネス、ロジカルシンキング、文章読解・作成能力、心理学入門などなど。

このように、なるべく広い範囲に自分のスキルを分散させていくことによって、例えば、集団生活の中で気づいた、子どもたちの課題を解決していくのが、少し簡単になったり、地域の保育イベントでの出し物のアイディアが、すっと浮かんできたりするものです。

クラスのお便り内容にも、差がつけられることでしょう。

その結果、深みのある保育士に成長し、そのキャリアとともに歩んで行くことができればとても有意義ですね。

目指せ保育士(まとめ)

いかがでしたか。

ここまで読んでいただき、保育士に対する想いも、理解も深まっていれば幸いです。

ご存知のとおり、保育施設で働くには保育士資格がなくでも可能です。

ですが、このように難易度も高く、簡単に取得できるような資格ではない「保育士」を持っていることで、業務範囲は広がり、子どもたち、保護者はもとより、社会のニーズにも自信を持って答えていくことができるのです。

ぜひ、国家資格である保育士資格にチャレンジして、その後の人生も豊かなものにしていっていただけたらと思います。