薄着の季節になると、男女ともに気になる身体の箇所があります。
それはずばり腕です。
男性であれば、シャツからのぞくたくましい腕。
女性であれば、たるみのない引き締まった腕。
実は、このどちらも1つの筋肉を鍛えることで大きく変化させることができるのです。
その筋肉とは「上腕三頭筋」です。
いわゆる二の腕と呼ばれる腕の裏側の部分の筋肉です。
今回は、男女によって鍛える理由が真逆の面白い筋肉である上腕三頭筋の鍛え方をご紹介します。
上腕三頭筋ってなに?
力こぶと呼ばれる上腕二頭筋は有名ですが、ちょうどその真裏にあるのが上腕三頭筋です。
物を押す時に使われる筋肉で、主に腕を伸ばす時や物を押す時に使われます。
上腕三頭筋という名前の通り3つの筋で構成されています。
・長頭
身体の内側に付いている部分で、特にたるみの部分にあたるので、引き締めたい女性が鍛えたい場所です。
・内側頭
ちょうど力こぶの真裏に位置する筋肉です。
長頭と合わせてたるみがつきやすい部分です。
・外側頭
正面から見た時に外側に大きく張り出しているのが、この外側頭です。
女性とは反対に、男性が鍛えると腕が太く見える箇所です。
腕の太さは上腕三頭筋で決まる?
一般的に力こぶと呼ばれる上腕二頭筋を鍛えると、腕が太くなると思い一生懸命鍛える男性も多いでしょう。
しかし、実は腕を太く見せたい場合はこの上腕三頭筋も合わせて鍛えることが重要です。
その名の通り、三つの筋で構成されているので腕の3分の2を占めます。
筋肥大させると比較的、腕を大きく見せやすいのでオススメです。
腕まわりを太くしたい方は、上腕二頭筋と合わせて鍛えていきましょう。
上腕三頭筋を鍛える種目
では、そんな魅力のある上腕三頭筋を鍛える種目をご紹介します。
ライイングトライセプスエクステンション
筆者自身、上腕三頭筋を鍛える際に必ず取り入れるメニューです。
内側頭や外側頭は、ベンチプレスなどで補助として使われますが、この種目は長頭をメインに鍛えることができます。
バーを持つ手幅は、肩幅より狭めで拳一つ分あけて持つと上腕三頭筋にしっかり負荷がかかります。
※この時バーベルを使用してもいいですが、EZバーのような手元が持ちやすいバーの使用をオススメします。
2.そのまま頭に向かって下ろしていき、頭を通り過ぎたあたりで、肘を頭方向に動かし上腕三頭筋をストレッチさせます。
※勢いよく下げると危険ですので、2秒から3秒ほど数えながらゆっくり下ろしましょう
3.頭の後ろまで下ろせたら、今度は逆の動きでしっかり肘を伸ばしていきます。
上腕三頭筋は力を強く発揮できる種類の筋肉ですので、フォームに慣れたら8回〜10回で3セット行いましょう。
※男性向けのアレンジ種目「スカルクラッシャー」
ライイングトライセプスエクステンションは、主に長頭を狙った種目ですが、アレンジとして額に下ろして上げる「スカルクラッシャー」という種目があります。
外側頭と内側頭を大きく刺激するので、太い腕を手に入れたい男性にオススメの種目です。
ライイングトライセプスエクステンションと基本は同じですが、頭の後ろに下ろすのではなく額に下ろしていきます。
注意点として、肘を固定したまま肘の曲げ伸ばしを行なってください。
肘を前後に動かしてしまうと、上腕三頭筋の作用である、肘の屈曲と伸展が使われにくくなるためです。
トライセプスプッシュダウン
ジムなどに置いてある、ケーブルマシンを使用する種目です。
他の上腕三頭筋の種目と異なり、女性でも行いやすいのがこの種目です。
ケーブルのプーリーを、身長より少し高めにセットしたら、ストレートバーのアタッチメントを取り付けます。
ストレートバーをオーバーハンドグリップ(手の甲が上になるよう持つ方法)で握ります。
※親指の付け根側で握り込むと、より上腕三頭筋への刺激が入りやすいです。
2.背筋を伸ばしたまま身体を少し前傾させケーブルと身体の向きを平行にし、握ったケーブルを自分の膝に向かって押していく。
この時の可動域は、肘が前後に動かず曲げ伸ばしができる範囲になります。
※ケーブルを動かす際に肘が前後に動いてしまうと、肩の伸展動作になってしまい上腕三頭筋への刺激が入りにくいので注意。
3.しっかり肘を伸ばしたら、肘を固定したまま2秒ほどかけて曲げていき同じように膝につくくらいまで伸ばします。
この種目において重要なことは、肘を固定することです。
ケーブルマシンを使った種目なので、回数は15回できる重量で3セット行いましょう。
実は腕にもある?X腕O腕
自然に立った時、正面から見た脚がXやOに見えることをX脚やO脚と言います。
実は腕にも現れやすく、腕を鍛える際うまく狙った場所に効かないということがあります。
確認の仕方は簡単で、手の平を上にして両手を真っ直ぐ伸ばします。
この時、脇が開いて正面から見た時Oの字になってる方はO腕で、脇がしっかり閉じている人はX腕です。
真っ直ぐになっている人は特に問題のないストレートです。
X腕とストレートの方は、上腕三頭筋を鍛える時特に問題はありません。
しかし、O腕の方は脇が閉じないので長頭部分の刺激が入りにくくなってしまい、弱点になることも。
長頭を鍛えたい方は、しっかり脇を閉めて動作を行うことを意識しましょう。
また、上記のトライセプスプッシュダウンを、手の平を上にして握るアンダーグリップで行うこともオススメです。
ダンベルフレンチプレス
最後は、ダンベルを使用して重い重量を扱うことができ、上腕三頭筋全体に大きな負荷をかけることができる種目です。
ただし、ダンベルを頭の上に持ってくる種目なので、細心の注意を払って行いましょう。
※両手で三角形を作って、その間にダンベルを通して片側を持つとやりやすいです。
2.そのまま、バンザイするような形で頭の後ろに持ってきたら、スタートポジションです。
3.肘は固定して前後に動かさず、頭の後ろで曲げていきます。
しっかり曲げることができたらスタートポジションのバンザイの形に戻し、繰り返します。
この種目において重要な事は、背筋を伸ばしたまま行う事と肘を前後に動かさないことです。
呼吸はトレーニングの要
筋トレを行う際、つい呼吸を止めてしまってはいませんか?
実は、呼吸は筋トレを行う上で重要な要素です。
呼吸を止めて動作を行うと、血圧が上昇し血管への負荷が強くなってしまうので、高血圧の方は特に注意です。
また、動作にも関係しています。
大胸筋や脚など、身体の前側の種目を行う際は重りを持ち上げる動作の際息を吐き、重りを下げる時に吸います。
その逆に、広背筋などの背面の動作は持ち上げる際に息を吸い、下ろす時に吐きましょう。
これは、人の身体が息を吸うと背筋が伸びて胸郭が広がるため、胸を張る必要がある背中の種目での動作に対して有利に働いてくれるためです。
自宅でもできる上腕三頭筋の筋トレ
自宅でもダンベルがなくても簡単に上腕三頭筋を鍛える方法があります。
上記のフレンチプレスも初心者の方であれば、ペットボトルに水を入れて負荷を足して、片腕ずつ行うことができます。
ナロープッシュアップ
いわゆる、腕立て伏せです。
ただし、手幅を狭くするために両手で三角形を作り、そこに身体を下げた時に顔が来るようにします。
これだけで、上腕三頭筋の肘の伸展動作が強くなるので、通常のプッシュアップより上腕三頭筋への効果が高くなります。
リュックに重たいものを入れて、背負いながら行う事で負荷の調節も可能です。
・リバースプッシュアップ
椅子や腰ほどの高さのもので行える種目です。
2.脚を伸ばした状態で、椅子に座るように肘を曲げて身体を下ろしていきます。
※脚を90度ほど曲げると負荷が落ちるので、初心者の方は曲げて行いましょう。
3.しっかり肘を曲げたら、そのまま伸ばしてスタートポジションに戻る。
2種目とも、自重トレーニングと呼ばれるものですので20回を目安に3セット行いましょう。
まとめ
以上が上腕三頭筋のトレーニングです。
もちろん他にも多数の種目がありますが、基本となる種目です。
まずは、肘を曲げて伸ばした時に上腕三頭筋の収縮を感じれるように基本を習得しましょう。
上腕三頭筋は、脇の開き具合やグリップにより効果が異なりやすい種目です。
「全面性の原理」という大事な原理があり、腕だけを鍛えたからといって、腕だけが大きく筋肥大することはありません。
しっかり全身を鍛えた上で、上腕三頭筋のトレーニングに励むようにしましょう。
また、大胸筋や肩の種目で補助筋として使われることが多いので、その日にまとめて行うこともオススメです。
以上が、上腕三頭筋を鍛える種目のご紹介でした。
しっかり鍛えて半袖を着た時に、たるみのない腕を目指しましょう。