「逆三角形になりたい」「ボリュームアップさせたい」「上半身に迫力が欲しい」…
ボディメイクを志す人たちのこうしたニーズに応えてくれるのが、「広背筋」です。
脇の下に手を入れてみてください。
脇のくぼみの前にある大胸筋に対し、後ろ側にある筋肉が広背筋で、面積が広いのが特徴です。
大胸筋と共に上半身のサイズ感をつかさどり、理想的な体を作るためには欠かせません。
今回は、そんな広背筋の鍛え方とその効果について紹介していきましょう。
1:広背筋トレーニングが有意義なワケ
▼格好よさ&迫力ある上半身
肩甲骨の下あたりから分布し背中の全体を覆っている広背筋は、鍛えればボリューム感が劇的に飛躍します。
逆三角形の体型をより強調し、上半身の存在感もアップ。
デカくて広い、迫力あるボディが手に入ります。
女性の場合は、広背筋が発達するとウェストシェプが際立つので、くびれがより強調されます。
▼太りにくい体質になる
広背筋は比較的大きな筋肉なので、ダイエットにも重要です。
大きな筋肉が肥大すると全身の筋量に比例する基礎代謝がアップ。
ダイエットしやすい・太りにくい体になるからです。女性にも嬉しい効果ですよね。
▼見栄えの良いバストに
広背筋の衰えは猫背を誘発します。
女性の場合、猫背になると、胸が下を向くため胸が垂れたように見えてしまうことも。
広背筋を鍛え背筋が伸びれば、姿勢が良くなり、張りのある胸とバストアップ効果も期待できます。
▼姿勢を良くして肩こり改善
広背筋は、姿勢を支えている筋肉です。
鍛錬することで背筋がピンと伸び、姿勢が良くなります。
また、猫背や背中のコリを改善。疲れにくい体にしてくれます。
逆に広背筋が衰えると、背筋が崩れて疲れやコリがたまりやすい体質にもなりかねません。
肩こりのある人は、肩よりも背中のトレーニングが効果的なのです。
2 広背筋トレーニング
ここからは具体的な広背筋の鍛え方をおさえていきます。
▼「フロント・ラットプルダウン」
ほとんどのジムにおいてあるスタンダードなマシン「ラットマシン」を使います。
まずは、バーを体の前(胸の位置)に降ろすトレーニングです。
② マシンに座って胸を張り、肩甲骨を寄せながらバーを引っ張るように下げます。
③ 胸の位置まで引っ張ったら2秒静止。
④ バーを元の位置へ戻します。
15回3セットを目安に行います。
広背筋全体を刺激できるメニューです。
・バーを戻す時も筋肉に効かせるためゆっくり戻しましょう。
・状態を後ろに倒しすぎると、筋力ではなく体重でバーを引っ張ることになるので要注意。
▼「ビハインド・ラットプルダウン」
フロントとは逆で、「ラットマシン」のバーを首の後ろに下ろすメニューです。
② マシンに座って、脇をしめながらバーを首の後ろに引っ張るように下げます。
③ 首の位置まで引っ張ったら2秒静止。
④ バーを元の位置へ戻します。
こちらも15回3セットが目安。
首の後ろにある僧帽筋にも効いてきます。
・肩甲骨を意識してください。
▼ダンベルエクササイズ「ワンハンド・ローイング」
今度は、ダンベルを使う代表的な広背筋トレーニングです。
よりピンポイントで広背筋を刺激します。
② 右足で踏ん張りながら、床に置いたダンベルを右手で引き揚げます。
③ その際、右ひじが90度以下になるまで曲げます。
④ 限界まで引き上げたら元の位置へ戻ります。
10~15回、3セット行います。
・③では脇を絞って背筋で引き揚げていくイメージで。
・③で少しの間キープすればより負荷がかかります。
・④上げる時も下げる時も、メリハリをつけて行いましょう。
▼バーベルを使った「ベントオーバーロウ」
バーベルを使う効果的な広背筋トレーニングもいくつかありますが、その代表格がこれです。
② 膝を曲げて前かがみになり、両手でバーベルを持ちます。
③ ひじを曲げながらバーベルを脇腹の方へ引き付けます。
④ 限界まで引き上げたらバーベルを元の位置へ。
これを10回3セット行います。
最初は軽い重量から始めてください。
・姿勢を保つのが難しいので正しいフォームを意識しましょう。
広背筋のトレーニングは、ジムワークだけではありません。
インドアでも比較的カンタンにできる、自重を利用したトレーニングも紹介しておきます。
▼「デクライン・プッシュアップ」
プッシュアップとは腕立て伏せのこと。デクラインは角度をつけるという意味です。
通常の腕立て伏せは腕や胸がメインのトレーニングですが、台を用いて角度を変え広背筋にも効かせます。
② 台に両足をのせて、床に両手をつき、腕立て伏せの体勢に。
③ 体をまっすぐに保ちながら腕立て伏せを行います。
スピードをあげてテンポよく30回を目指しましょう。
インターバルは短く1分ほどにして、3セット行います。
・負荷をかけたいなら肘を曲げた時点でワンテンポ(1~2秒)静止しましょう。
▼タオルを使った「プッシュ・プル」
タオルひとつあればできる自重トレーニングです。
② 片方の手の肘を曲げてタオルを引き、もう片方の手でタオルを前に向けて押し出します。
③ タオルが伸びきった状態で5~10秒キープ。
④ 今度は両手を逆にして同様に行います。
左右交互に5回、5セットを目安にやってみましょう。
相乗効果もあるので、上腕二頭筋、上腕三頭筋、僧帽筋なども鍛えられます。
・とくに引っ張る側を意識して、背中の筋肉に効かせます。
▼「チンニング」
鉄棒などで行う懸垂のこと。
ジム内にパワーラックがあればチンニング用のバーがありますが、鉄棒やガレージ入口のフチなどでも構いません。
ぶら下がれればどこでもできるのがこのトレーニングです。
② 背筋をまっすぐに伸ばしぶら下がる。
③ 首がバーの位置になるまで状態を引き上げます。
④ ぶら下がった元の位置へ戻ります。
5~10回 5セット行いましょう。
・負荷をかけたいのであれば体にプレートを巻き付ける、あるいは③で数秒間静止するなど工夫を。
・④では腕を伸ばしきるのが理想ですが、初心者は伸ばしきる直前で切り返してもOK。
もう1つ、女性や初心者にもオススメの低難度メニューもあげておきます。
▼「バックエクステンション」
自重だけで行う手軽な広背筋のトレーニングです。特別な器具は必要ありません。
② 両手を頭の両サイドに添えるように構えます。
③ 体を反るイメージで上半身を持ち上げます。
④ 再び上半身を戻し元の位置へ。
15回以上の限界まで、3セットやってみましょう。
回数を多くすれば背中(脊柱起立筋)のインナーマッスルも鍛えられます。
・パートナーがいれば足を抑えてもらうと良いでしょう。
広背筋は体の重要なパーツなので、トレーニング方法も様々です。
どのメニューにもそれぞれ利点があるので、自分の目的意識にあったものを採用して、オリジナルのトレーニングスケジュールを立ててください。
広背筋に重点をおけばボディメイクの成果が飛躍的にアップするはずです。