絶対取得!【介護福祉士】についてまとめてみた

65歳以上の人口が全人口の7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」、21%を超えると「超高齢社会」といいます。

今、日本はこの「超高齢社会」の真っ只中にいます。

このままいくと2025年に30%、2060年には40%になると言われています。

それにより、「介護業界」の人材不足はかなり深刻です。

そんな介護業界で最も重要な人材が「介護福祉士」。

「介護のプロ」であり、国家資格でもある介護福祉士は、需要側・供給側双方にとって非常にニーズの高い人気のある資格の一つです。

では、介護福祉士の仕事内容や給料、受験資格などについて詳しくみていきましょう。

介護福祉士とは

介護業界で働く中で重要だとされている代表的な資格は、「介護職員初任者研修」「介護職員実務者研修」「ケアマネジャー」「介護事務」「介護福祉士」の5つです。

そして介護職において唯一の国家資格が「介護福祉士」であり、介護キャリアの中では最上位の資格に相当 します。

近年特に人手不足が叫ばれる介護業界では、できることが制限はされますが無資格でも働くことができます。

しかし、様々な問題を抱えた高齢者等をお預かりする以上、専門的知識や技術を必要とする場面が多々あります。

その中で安心安全の介護現場を構築するためには、介護のプロである「介護福祉士」の存在が必要不可欠なのです。

介護についての専門的な知識や技術を習得しなければ資格を取得することはできませんが、介護現場において特に重要な役割を担うため、ニーズは非常に高いものがあります。

介護福祉士に向いている人とは

介護福祉士に向いている人としては、「人の役に立ちたい」「人に尽くすことが好き」「思いやりがある」「責任感がある」「広い視野を持っている」「体力がある」などが挙げられるでしょう。

介護福祉士という仕事は、病気や加齢によるものなど、何らかの理由で生活が不自由になってしまった高齢者等のあらゆるお世話をします。

不自由になっても、できる限り快適な日々を過ごすことができるようにお手伝いするのです。

そして、人生の終わり方のお手伝いでもあります。

人は生まれれば必ず終わりを迎えますが、いろんな人生を歩んできた方のその終わり方に携わる者として、心構えと献身性も重要でしょう。

そう言ってしまうととてもハードルの高い仕事だと思ってしまうかもしれませんが、心配はいりません。

現場に入ってみれば、自ずと成長し、大切なことが見えてきます。

人の役に立っていると感じるだけで、心や体が突き動かされることでしょう。

介護福祉士の受験資格

介護福祉士の国家試験を受けるには、まず受験資格を得る必要があります。

受験資格を得るには、「養成施設ルート」「実務経験ルート」「福祉系高校ルート」「経済連携協定(EPA)ルート」の4つがあります。

養成施設ルート

次の①もしくは②のいずれかの教育機関ルートを経る。

①高等学校等を卒業後、介護福祉士養成施設2年制以上を修了する。

②高等学校等を卒業後、福祉系大学・社会福祉士養成施設・保育士養成施設のいずれかを修了し、その後介護福祉士養成施設1年制以上を修了する。

実務経験ルート

従業期間3年(1095日)以上かつ従業日数540日以上の実務を経験し、実務者研修もしくは介護職員基礎研修+喀痰吸引等研修を修了する。

福祉系高校ルート

特例高等学校等に入学し、規定の教科目・単位数を修めて卒業後、9ヶ月以上の実務経験を積む。

経済連携協定(EPA)ルート

EPA介護福祉士候補者(インドネシア・フィリピン・ベトナム)として受入施設において実務経験3年以上を積む。

介護福祉士になるためには、以上のルートを経て資格が与えられます。

実務経験ルートが設定されているので、すでに社会人として違う業種で勤めている方が転職して介護福祉士を目指すことが可能です。

実際に様々な職業から転職して介護の世界に飛び込んでいる方はたくさんいますし、資格取得までサポートしてくれる事業所もたくさんありますので、さほど心配はないでしょう。

介護福祉士の試験概要

試験を受けるには、書類の提出や受験手数料などが必要です。

試験を受けるまでの概要は次のとおりです。

    公益財団法人社会福祉振興・試験センターに「受験の手引き」を請求。
             ↓
    受験手数料15,300円を支払う。
             ↓
    受験申込書など必要書類を揃え、8月上旬〜9月上旬に受験申し込みを行う。
             ↓
    12月中旬までに受験票が届く。
             ↓
    1月下旬に筆記試験、3月上旬に実技試験を受ける。

受験を目指すルートによって必要書類や実技試験が免除になったりしますので、公益財団法人社会福祉振興・試験センターのホームページなどで確認しましょう。

合格基準・合格率

試験に合格できる基準は次の通りです。

    筆記試験

    ①総得点の60%を基準とし、難易度によって補正された点数以上を獲得。

    ②11の試験科目(人間の尊厳と自立・介護の基本・人間関係とコミュニケーション・コミュニケーション技術・社会の理解・生活支援技術・介護過程・発達と老化の理解・認知症の理解・障害の理解・こころとからだのしくみ・医療的ケア・総合問題)全てにおいて得点がある。

    実技試験

    ①総得点の60%を基準とし、難易度によって補正された点数以上を獲得。

これまでの平均的な合格率は約70%程度です。

介護福祉士はいわば介護のプロなので、専門的な知識と技術を要します。

しかし、一度取得し登録をすれば基本的に更新などをする必要はなく(名前や本籍地変更などを除く)、一生持ち続けられる資格です。

一度、介護の現場を離れたとしても復帰することは可能なので、ぜひ取得しておきたい資格です。

介護福祉士の仕事

介護の現場において、介護福祉士が実際に担う仕事は多岐に渡りますが、どれも重要なものばかりです。

ですが、重要で責任のある分だけ、やりがいのある仕事です。

誰かの役に立っているということが肌で感じられ、社会において助け合うことや支え合うことが、いかに大切であるかを知ることができます。

では実際にどんな仕事をしているかみていきましょう。

    <身体介護>

    食事・衣服着脱・入浴・排泄・歩行など生活上必要不可欠な行動に対する介助。

    <生活援助>

    利用者のもとに訪問し、食事の準備・掃除・洗濯・買い物など身の回りの援助。

    <相談、助言>

    介護や生活に関しての相談を受けたり、どのようなサービスや介護用品を利用すれば良いのか助言するなど、介護される側が持つあらゆる疑問に応える。

    <リーダーシップ>

    施設などの勤務先において介護士への教育や指導を行い、利用者が快適で適切な介護を受けられるようリーダーシップをとる。

他にも介護の現場では日々、予想もつかないような出来事が起きたり、困難なことが起きたりします。

それらに対して臨機応変に対応する力も必要とされます。

介護福祉士の給料

厚生労働省が発表した平成30年度介護従事者処遇状況等調査では、全国平均月収313,920円(平均勤続年数8.4年)となっています。

しかし、勤続年数が少なかったり経験の浅い介護福祉士は、勤務先によりますが月収22〜26万円程度が多くみられます。

ボーナスを加算すると、年収350〜400万円程度でしょう。

もちろん勤続年数が長くベテランになれば、その分給料は上がっていきます。

年収500万円以上というところも多くみられます。

全国平均がこれほどの金額になっているのは、2019年10月から実施されている「介護職員処遇改善加算」によって、勤続年数が多いベテランの介護士に対して月収8万円相当の処遇改善が行われたからであると考えられます。

memo
介護職員処遇改善加算は、要件を満たして届出をした事業所において、介護職員の処遇改善を目的として介護報酬の改定が行われた制度です。

すなわち、介護報酬をアップさせるので、現場で重要な戦力となるベテラン介護士に対しては事業所の裁定で給料をアップさせてくださいというものです。

この制度では、給料のアップが事業所の裁定に委ねられていますので、勤務先によって実際の給料額はマチマチであるのが現状です。

そして、超高齢社会が進む近年では、異業種の企業が介護や福祉の業界に乗り出してきている傾向が見受けられます。

このことにより、小さな事業所よりも大手企業の方が処遇が厚いように感じられることも事実です。

しかし、働く現場としては大手のマニュアル化された現場よりも、小さな事業所のアットホームな現場の方がやりがいがあるという声も聞かれます。

給料面も大事ですが、まず自分がどんな働き方をしたいのかを優先させた方が、介護士という仕事を長く続けられることに繋がるでしょう。

目指せ介護福祉士

介護福祉士は、専門的な知識や技術、体力、献身性などたくさんの要素を必要としますが、必ず誰かの役に立つやりがいのある仕事です。

介護や福祉の現場で働いていると、時に手を合わせ、涙を流し、拝みながら「ありがとう」と言われることがあります。

どんな些細なことでも誰かの役に立つということが、どれだけ素晴らしいことであるかを知ることのできる介護や福祉の世界。

簡単に取得できるような資格ではありませんが、チャレンジしてみる価値は十分にあるでしょう。