ストレッチの効果と注意点とは?レッスン動画とともに紹介!

ストレッチは「伸ばす」という意味で、筋肉や関節を伸ばす運動のことです。

体を柔軟にすることで様々な効果を得ることができ、道具も不要で場所を選ばないことから、いつでも誰でも簡単に行うことができます。

では、ストレッチがもたらす効果や、やり方などを解説してまいりましょう。

ストレッチの効果

ストレッチを行うことによって体に様々な良い効果をもたらします。

怪我の予防

一般的に体の硬い人は怪我をしやすいと言われています。

それは、関節の可動域と筋肉の柔軟性が不十分であることが原因の一つに挙げられます。

筋肉を柔らかくすることで関節の可動域(動かせる範囲)が大きくなり、体への思わぬ衝撃や負担に対し柔軟に対処することができます。

その結果、怪我の予防につながるのです。

特に運動前は適切なストレッチを行わなければ、急激な負荷に耐えられず筋肉や腱などを痛めてしまうことになりかねません。

「健康のために運動を」と思っても、怪我をしてしまっては元も子もありませんので、必ずストレッチを行いましょう。

疲労回復

血液が体を循環するには、筋肉が大きな役割を果たしています。

そして、体に溜まった疲労物質は血流によって運ばれていくのですが、筋肉が硬いままだと血流が悪くなってしまい、どんどん蓄積されてしまいます。

ストレッチをして筋肉を柔軟にすることで血行が良くなり、疲労物質が運ばれるとともに酸素や栄養素を届け、疲労回復を促進する効果が生まれるのです。

その結果、疲労を溜めることなく毎日を過ごすことができるので、疲れにくい体になったと感じるでしょう。

冷えやむくみの改善

女性には特に多い悩みの一つ、「冷え」は血行不良が原因です。

血行不良になると同時に水分の巡りも悪くなってしまうため、むくみを引き起こします。

心臓から遠い下半身にむくみが出たり、指先や足先が冷えてしまうのは、血行が体の先の方までスムーズでない証拠

ストレッチをすることによって血や水分の巡りが良くなり、体温が上昇し、冷えやむくみが改善されるのです。

姿勢が良くなる

筋肉は使っていないとどんどん縮んで硬くなっていきます。

そして、筋肉は縮むことはできても、自力で伸びることはできません。

筋肉が縮んで硬くなると、正しい姿勢を保てなくなってしまうことに繋がるのです。

例えば、人間は体の前側の腹筋などよりも背中側の背筋などの方が鍛えづらいと言われています。

前側の方が筋肉がつきやすいので、特に鍛えていないという人は背筋よりも腹筋の方が発達しているのです。

しかし、腹筋を使っていないとどんどん縮んで硬くなっていき、上体が前に傾きます。

この現象によって引き起こされるのが「猫背」です。

背中が丸くなっていくのは、前側の筋肉が縮んで引っ張られてしまうからなのです。

筋肉の収縮のアンバランスさをストレッチで解消することによって、自然に美しい姿勢へと改善されていくでしょう。

リラックス効果

ストレッチをすると副交感神経が優位になり、緊張がほぐされるため体と心のリラックスにつながります。

スポーツの前はもちろん、何か大切な仕事やイベントの前など、高いパフォーマンスを発揮したい時には直前にストレッチをすることで精神的な落ち着きを得ることができます。

さらに、筋肉が萎縮していると集中力が低下する と言われています。

仕事の合間や休憩時間に軽くストレッチすることで、低下してしまった集中力を高め直すことができます。

ダイエット促進効果

筋肉がほぐされることで基礎代謝が向上します。

基礎代謝が向上するということは、エネルギーの使用が増えるためダイエットへつながる のです。

ストレッチは筋肉をつけるためのトレーニングではないため、筋トレなどで程よく筋肉量を増やし、それを維持しながら普段の生活にストレッチを導入することで、ダイエット効果をより高めることが期待できます。

特に肩甲骨あたりのストレッチをすると、「褐色脂肪細胞」が活性化し脂肪燃焼を促すと言われています。

効果的なストレッチのタイミング

ストレッチは体が温まっている時に行うと効果的です。

普段の生活で一番効果的とされているのが、入浴中もしくは入浴後です。

体が芯から温まり、血行も良くなっていますので、最も良いタイミングと言えます。

体が硬くて柔らかくしたいという方は、毎日継続してストレッチをすることでだんだん体が変化し、少しずつ柔軟になっていくでしょう。

その他にも、日常生活の中でストレッチを行うと有効的であるタイミングがあります。

就寝前

冷え性の方や寝つきが悪いという方には、就寝前にストレッチを行うことがおすすめです。

血行が促進されるため、体が温まった状態で布団に入ることができます。

さらに、寝つきが悪いという方は、リラックスした状態になれるほか、ストレッチをして少し疲労感を感じることで眠りに入りやすくなります。

就寝前に筋肉がほぐれることで副交感神経が優位になり、心地よい眠りにつくことができるのです。

朝、特に冬場は体がまだ温まっていないので、代謝をあげるためのストレッチが有効です。

ただ、体がまだ温まっていない時に行う場合は、筋肉の伸びが悪いため無理なストレッチは要注意です。

起床後、ゆっくりと無理のない程度のストレッチを行いましょう。

筋肉の温度を表す「筋温」が上がり、だんだん体が動きやすくなっていきます。

そして、睡眠中に鈍った体をアクティブなもの変えるためには、ラジオ体操がおすすめです。

全身運動とストレッチが同時にできるため、筋肉をほぐし、体全体の動きをよりスムーズにしてくれます。

パソコン作業が続いている時

パソコンで仕事をする人は非常に多いと思いますが、ずっとパソコンに向かっていると同じ姿勢が続いてしまいます。

すると、血流が悪くなり、手先しか動かさないため筋肉も硬くなってしまいます。

そんな時は1時間に1度ほど、首、肩甲骨周辺、そして立ち上がって全身を伸ばすようなストレッチをしましょう。

リフレッシュにもなりますし、集中力のスイッチも再び入れることができます。

頭の中もリラックスできるので、柔軟な思考力に変わり、良いアイデアが浮かぶことにも繋がるでしょう。

イライラした時

日々を過ごす中、ちょっとしたことでストレスを感じ、イライラしてしまうこともあります。

ストレッチは副交感神経が優位になりますので、気分が軽くなりイライラも少しばかり解消されることでしょう。

少しでもポジティブに物事を考えられるようになれば、心も穏やかになり明るく過ごすことができるでしょう。

ストレス社会を生き抜くために、ストレッチは手軽にできる気分転換の一つですので、ぜひ試してみてください。

ストレッチをしてはいけないタイミング

食後のストレッチは最もNGのタイミングです。
お腹を圧迫してしまうことで、胃でまだ消化されていない食べ物が逆流してくる可能性もあり、とても危険です。
食後は体を休め、胃腸の働きを阻害しないようにしましょう。

ストレッチの種類

ストレッチには様々な種類がありますが、大きく3種類に分けられます。

それぞれやり方や効果が異なりますので、目的に合ったストレッチを行うようにしましょう。

・スタティック・ストレッチ

姿勢を数秒間キープさせ、じっくりゆっくり筋肉を伸ばすストレッチ方法です。

ごく一般的なストレッチで、体を柔軟にし緊張を和らげる効果を持ちます。

同じ姿勢が続いたり、疲れを感じた時に行うと、体全体がリフレッシュし気分も軽くなります。

疲労を回復させるために効果的であるため、運動の後にはスタティック・ストレッチが最適です。

・バリスティック・ストレッチ

グッグッと反動をつけながら行うストレッチ方法です。

例えば、アキレス腱を伸ばすために足を前後に開き、反動をつけて伸ばそうとするストレッチのことです。

運動をする前に行うイメージがあると思いますが、近年この考え方は見直されつつあります。

まだ温まっていない筋肉に対して急激な力が加えられるため、逆効果であると言われているのです。

特に普段からあまり運動をしない筋肉が硬くなってしまっているような人が、久々に体を動かそうと気合いを入れてこのストレッチをすると筋肉を痛めてしまう恐れがあります。

・ダイナミック・ストレッチ

体全体を動かしながら筋肉を伸ばすストレッチ方法で、代表的なものはラジオ体操です。

体全体を使うことによって心拍数が上昇し、体が温まります。

動的柔軟性(体を動かす時のしなやかさや可動域の広さ)を高めることができるため、運動前に行うのはダイナミック・ストレッチが良いでしょう。

ストレッチの注意点

とても身近な運動の一つであるストレッチですが、いくつか気をつけるべきポイントがあります。

ただやればいいというのではなく、正しく行うことが大切なので次の点に気をつけてください。

・痛みを我慢する

ストレッチは体をケアすることが目的でもあるので、痛みを感じてしまうまで行うことは危険です。

筋肉が伸ばされて気持ちいいと感じる程度がちょうど良いストレッチです。

痛いと感じるということは、少なからずダメージを与えているということなので力の入れすぎには気をつけましょう。

・反動をつけすぎる

先述したように反動をつけると急激に筋肉が伸ばされ、逆に筋肉を痛めてしまいます。

筋肉は痛みを感じると危険信号を出し、縮まろうとします。

これを「伸張反射」と言いますが、伸ばそうする自らの意志とは真逆のことを筋肉は反射的に行ってしまうのです。

怪我をするリスクを高めてしまうので、反動はつけずにゆっくりじっくりと軽く優しい程度にしておきましょう。

・目的を考えないでやる

働きかけようとする筋肉の部位によってストレッチのやり方は変わります。

どこを伸ばして、どういう効果を得たいのかわからないままストレッチを行うと、なんの効果も得られないということになりかねません。

疲労を感じ、体が凝りかたまったなと思ってちょっと伸ばしてみたら、なんだか逆に痛くなってしまったなんてこともしばしばあります。

例えば、ラジオ体操も動きの一つ一つに意味があり、意識すべきところを考えずにただやっているだけでは何の意味もないのです。

正しいストレッチを行うことで、目的に合った正しい効果を得られるようにしましょう。

・息を止める

ストレッチは腹式呼吸をしながら行うのが基本です。

体内に多くの酸素を取り込むことができるのが腹式呼吸です。

呼吸時は吸う時に交感神経が優位になり、吐く時に副交感神経が優位になります。

そして、副交感神経が優位になっている時、筋肉はより伸ばしやすい と言われています。

息を止めるとその作用が行われないため、呼吸で自律神経を整えながらストレッチを行うことが大切なのです。

ストレッチのやり方

ストレッチのやり方はたくさんあり、背伸びもストレッチの一つです。

実際にどんなストレッチをすれば良いのかは、多くのトレーナーが配信してくれている動画を観るのが簡単で手軽でしょう。

動画だと何に気をつけながら伸ばせば良いのかなど、丁寧な説明を聴きながらストレッチを行うことができます。

では、日常生活に取り入れたいストレッチ方法が観られる動画をご紹介いたします。

入浴後のストレッチ

オガトレ
[全身すっきり]お風呂上がりの20分間ストレッチ![Night routine]

理学療法士YouTuber、オガトレさんが配信しているこちらのストレッチ動画は、お風呂上がりに行うストレッチを紹介しています。

ストレッチにまだ慣れていない人や、体がまだ硬いという人でも簡単にできるようなやり方を合わせて教えてくれていますので、初心者の方にもおすすめです。

運動前後のストレッチ

筋トレTV
ストレッチ/筋トレ前後・ランニング前後(前は軽く、後は入念に)

この動画では、筋トレや運動をする前と後に行うストレッチを紹介しています。

体を動かす前に行うストレッチは、怪我をしないためにとても重要です。

そして、運動後のストレッチは入念に行うことが鉄則ですので、正しいストレッチができるようにしましょう。

肩こりに効くストレッチ

オガトレ
肩甲骨『超』硬い人向け!体を柔らかくするストレッチ[10分一緒に画面を観ながら]

肩こりや頭痛などといった悩みを慢性的に持っている方におすすめのストレッチです。

血行不良が原因で起こる肩こりや頭痛などは、パソコン作業や一定の動きしかしない仕事、決まった姿勢で長時間過ごすような仕事などをしている方に多い悩みでしょう。

「肩こりは日本の文化」と言われるほど、世界的にみても肩こりが多い国です。

空いた時間に行えるよう、ぜひ覚えておきたいストレッチです。

猫背を改善するストレッチ

筋トレTV
猫背改善ストレッチ

猫背は意識して直そうとしてみても、いつの間にか丸くなってしまい、なかなか矯正できないものです。

悪い姿勢の代表的なものである猫背に悩んでいる方も多いことでしょう。

そんな方のための猫背改善ストレッチです。

姿勢が良くなると人から抱かれるイメージも変わります。

姿勢の美しい人になれるよう、ぜひ実践してみてください。

寝る前のストレッチ

toyoumo(東洋羽毛)
快眠な睡眠へ導く、3分間ストレッチ

羽毛布団などを作っている寝具メーカー東洋羽毛さんが配信している、寝る前に行うストレッチです。

睡眠は人間にとって特に大切です。

質の良い睡眠ができないと疲れを溜め込んでしまったり、集中力が低下したりと、日常生活に大きな影響を及ぼします。

睡眠の質を向上させることによって、疲れの蓄積を防ぐことができるでしょう。

ストレッチは健康への第一歩

ストレッチは、日々積み重なってしまう不調を改善することができる一つの方法です。

健康でなければ目標達成を成し遂げることができませんし、家族や大切な人と共に過ごす時間も心から楽しめません。

ストレッチ自体は簡単ですし、なにも難しいことはありません。

健康への第一歩と思って、始めてみてはいかがでしょうか。

ストレッチは継続することで効果が現れますので、日々のルーティンとして取り入れるとよいでしょう。