禁煙をするためには?禁煙のコツやメリット・方法を解説!

三日坊主といったら禁煙と連想するほど、たばこも止めようと思っても達成するのが難しいもののひとつですよね。

お酒のアルコール依存症と同じように、たばこもニコチン依存症のために、止めたくても止められなくなってしまうのが原因です。

禁煙の三日坊主も克服してしまいましょう!

最近では、電子たばこや禁煙補助薬なども使って楽に禁煙できるようになってきていますが、今回は自力での禁煙をメインに、たばこを止めるコツなどをご紹介します。

たばこは体にこんなにも悪い

そもそも禁煙しようと思う方は、健康に不安があったり、何かしらの体への悪影響があらわれているのではないでしょうか。

肺がんをはじめ、たばこによって肺の病気のリスクが高まることはよく知られていますよね。

注意
国立循環器病研究センターによると、たばこには約4000種類の化学物質が含まれていて、このうち200種類以上が体に有害であるとわかっているそうです。

有害な科学物質のなかには、40~60種類の発がん性物質が含まれていることも判明しています。

たばこが体に害を及ぼす原因は、たばこを吸うと一酸化炭素と一緒に体内に取り込まれるためです。

一酸化炭素は赤血球のヘモグロビンと結合しやすく、酸素欠乏を招く原因にもなります。

これにより、動脈硬化脳卒中急性心筋梗塞大動脈解離など、循環器系の疾患を発症する確率が大幅に高まってしまいます。

禁煙すると、これらの病気にかかるリスクを大幅に低下させることができます。

たまに、好きなだけお酒を飲んでたばこも吸って、90歳を越えても元気な方もいらっしゃいますが、確率的にいえば、いつまでも健康で長生きするには禁煙することが大切です。

ニコチンとタール

たばこを吸う方のほとんどが、たばこに含まれている有害物質のニコチンタールの名前をご存知のはずです。

ニコチンとは、タバコの葉に含まれている毒物の一種で、昆虫に食べられてしまうのを防ぐためにタバコが自ら作り出しています。

化学物質として毒物に認定されていて、神経毒性の猛毒であり、強い依存性もあります。

MEMO
この記事でのカタカナのタバコと、ひらがなのたばこの違いが紛らわしいかと思いますので、使い分けのご説明をしますと、タバコとはナス科タバコ属の熱帯地方原産の植物を指し、タバコの葉を原料として作っているものをたばことしています。

タバコは原料で、たばこは普段吸っている紙たばこのことです。

たばこに含まれているニコチンは、摂取すると血管収縮を引き起こし、心拍数が急上昇したり不規則になったりします。

冬になると顕著ですが、指先が冷たくなったり、手の色が黒ずんでくる方もいらっしゃるかと思います。

また、中枢神経にあるニコチン性アセチルコリン受容体と、ニコチンが結合すると、神経回路に作用して心地よさをもたらします

これが依存症の要因ともいえる、たばこを止めるのが困難になってしまう原因です。

タールは、体に悪影響があるとされている化学物質が60種類以上含まれているため、ニコチン以上に体への悪影響が大きい有害な化学物質です。

体への影響を考えて低タールのたばこに変えた人も多いと思いますが、低タールなら必ずしもがんのリスクが低くなるわけではない、ということをご存知でしょうか。

タールと肺がんの関係を調べたある調査によると、タールが8~14mgのたばことタールが0~7mgのたばこでは、低タールのほうが肺がん死亡リスクが若干高いという結果が出ました。

低タールのたばこは味が薄く、体への影響も少ないと思い込んでいるために、長い時間深く吸い込んだり本数が増えたりするケースが多く見られます。

そのため体内に入る有害物質の量が増えて肺がんになる確率が高まったと考えられています。

MEMO
ただこの調査が結論とはいえず、タール含有量とがんとの関連についての結論はまだ出ていないのが実情です。

ただ、ニコチンもタールも少ないほうが、やっぱり体への悪影響は小さいようなイメージはありますよね。

禁煙のメリットと体の変化

それでは、禁煙のメリットについてご紹介していきます。

禁煙を達成すると、こんなにも良いことがあります!

病気のリスクが減り健康になる

禁煙をはじめると次第に体に良い影響があらわれてきます

とはいえ全ての方がこのようになるとは言い切れませんので、目安のひとつとしてご紹介します。

禁煙をスタートすると、まず1ヶ月あたりから咳などの呼吸器の症状が改善し、禁煙を続けるほどますます良くなっていきます。

その後2、3年ほどで心筋梗塞狭心症などの心臓の病気にかかる確率が、喫煙者に比べて低下し始めます。

10〜15年になると、喫煙者と比べて咽頭がんになる確率が60%低下

10〜20年では、肺がんになる確率が喫煙者と比べて70%も低下します。

20年を越えると口腔がんになる人の割合は、たばこを全く吸わない人と同じくらいになります。

あくまでもこれらはひとつの目安です。

ただ禁煙の期間が長ければ長いほど、病気のリスクが減り体が健康になっていくことは確かです。

また、たばこを長年吸っていると、歯にヤニがついたり、爪が黄色く変色したり、汗がベタベタしてくるなど、体のあちこちに異常が見られる場合もありますが、それらも禁煙することで改善していきます。

お金が貯まる

セブンスターやメビウス、マールボロなど人気のあるたばこは1箱500円ほどですが、これを1日1箱吸うと、1ヶ月で約15000円1年間で約180000円も、たばこ代にかかっていることになります。

たばこを吸っている理由のひとつでもある、ぼんやりできる時間も、他のことに使えるようにもなります。

ぼんやりするために、有害物質を体内に取り込むことは自ら進んでやらなくてもいいことですよね。

さらに、最近ではなかなか見つからない喫煙所を探す時間と手間も必要ありません。

たばこと一緒にかってしまいがちなコーヒーなど飲み物代も減ります。

たばこ代に使っていたお金を10年間貯めれば、180万円にもなります。

禁煙するとお金が貯まります。

印象が良くなる

たばこの煙や臭いを好んでいる人は、喫煙者だけともいえるかもしれません。

もしかすると喫煙者の中にも好きではない方もいらっしゃるでしょうか。

国立がん研究センターが、2019年3月に成人2000人(喫煙者1000人、非喫煙者1000人)を対象にネットアンケート「家族のたばこについて国民意識アンケート調査」を実施しました。

このアンケートでは、

「配偶者のたばこをどう思いますか?」(既婚者に質問)・・・やめてほしい(禁煙してほしい)61.1%

「子どものたばこをどう思いますか?」(成人喫煙者の親に質問)・・・やめてほしい(禁煙してほしい)75.1%

「子どもが20歳になったときの喫煙をどう思いますか?」(未成年の子どもを持つ親に質問)・・・絶対たばこを吸わせたくない52.0%、できればたばこを吸わないでほしい30.3%

「結婚相手のたばこについて」(独身者に質問)・・・絶対たばこを吸わない人が良い46.4%、できればたばこを吸わない人が良い23.4%

という結果になりました。

男性がたばこを吸い始めた主な理由としては、たばこを吸う姿がカッコ良い、たばこに興味があったからなどがあります。

ところが、ある調査によると、女性の約60%が結婚相手はたばこを吸わない男性が良いと答えています。

たばこを吸う男性を選ばない理由としては、一緒に居るとたばこの臭いがつくのが気になるデートで喫煙席があるお店が多くなるたばこ代がもったいないがんなど病気のリスクが高い見た目が不健康そう、などでした。

たばこは子どもからも不評です。

子どもはたばこの臭いに慣れていないこともあって、喫煙者には近づこうとしないことが多いですよね。

ご自分が子どもの頃にも、たばこの臭いが好きじゃなかった、という方も多いのではないでしょうか。

禁煙を達成するコツ

禁煙を達成するには、禁断症状に苦しみながらつらい日々を過ごす必要はありません

ちょっとしたコツで比較的楽に達成できるので、ぜひそのポイントを抑えておいてください。

たばこを買わない(ライターと一緒に捨てる)

たばこが手元にあると、つい吸ってしまいます。

それまでの、朝起きたらたばこで一服、食事後や気分転換に、といった日々の行動の一部になってしまっている、ひと区切りにはたばこを吸う、というルーティーンを変えましょう。

まずはたばこと、たばこを連想してしまうライターを捨ててしまいましょう

最初は、たばこの自販機を見ると衝動にかられて買ってしまうこともあると思います。

もし買ってしまったら、その度に捨てましょう。

何度も繰り返しているうちに、「なんて無駄なお金の使い方をしているんだ」と思えるようになれば、禁煙のステップが順調に進んでいる証拠です。

好きなものを食べる

たばこを吸わないと、どうしても口淋しくなります。

食事後やコーヒーなどを飲んでいるときに、物足りなく感じてしまうかと思います。

そんなときは、好きな食べ物を食べるようにしてください。

満ち足りた食事や、充実した食事の時間を過ごせば、禁煙のストレスがやわらいで、「たばこは吸わないようにしよう」と思えます。

禁煙中はストレスがかかるので、他のことで満たすようにしましょう。

ハミガキする

ダイエットにも効果があるハミガキですが、口がたばこを欲してしまうときにも効果的です。

どうしてもたばこが吸いたくなったときに、いつでも手軽に気を紛らわすことができます。

運動する

気分転換としては運動もオススメです。

体を動かして汗をかくと、たばこを吸いたかった気分がいつの間にか消えてしまいます。

ダイエットを兼ねてのランニングや、季節を感じながらのサイクリングなど、他の目的もあるような運動なら、無理なく続けられます。

喫煙のデメリットを思い出す

もしたばこが吸いたくなったら、たばこを吸うデメリットや、吸ってしまうとどんな悪い影響があるのかを思い出すようにしましょう。

健康に害があって、がんのリスクが高まる、お金もかかる、もっと時間を有効に使えたはず、というようなことを頭に思い浮かべて、つい吸ってしまうのを防いでください。

たばこを止めたいという意思がないと禁煙はできないので、禁煙するためのマインドコントロールも有効です。

電子たばこ(VAPE)

ここ数年で特に楽に禁煙できるようになっている要因のひとつが、電子たばこ、通称VAPE(ベイプ)です。

電子たばこが一般的になってまだ日が浅いので詳細なデータはありませんが、30〜40%が禁煙できたという調査結果もあるほどです。

電子たばこにはニコチンとタールが入っていないので健康を害することがなく、良い匂いと味もするのが特徴です。

たばこに変わる嗜好品として人気が出ました。

電子たばこをすでにご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、初めて知った方に簡単にご紹介します。

電子タバコとは、香りをつけた水蒸気を吸い込むもので、オレンジやブルーべリーなどのフルーツ、コーラや、レッドブルなどのエナジードリンクなど、様々なフレーバーで香りをつけたリキッドを加熱しています。

現在あるのは2タイプ

  • リキッド充填式
  • 使い捨て式

iQOSやgloなどの、いわゆる加熱式たばこには少量のニコチンが含まれていて、税金もかかっている紛れもなくたばこなので、電子たばこ(VAPE)とは違うものです。

加熱式たばこでも禁煙に効果があるので、どちらでもお好きなものを選んでください。

楽に禁煙できる電子たばこですが、デメリットといえるのは価格が高いことです。

使い捨てタイプが安く、何度も使えるリキッド充填式は高めです。

1000円以下〜15000円が本体の主な価格帯で、リキッドは1000円〜2000円ほどです。

とはいえ、それまでの習慣を意識して変える必要のない電子たばこを使う禁煙は、徐々に増えてきています。

禁煙補助薬を使う

たばこの離脱症状に作用して、比較的楽に禁煙できるのが禁煙補助薬です。

CMなどで、代表的な禁煙補助薬のニコレットを聞いたことがある方も多いと思います。

体に貼るタイプと飲むタイプがあり、禁煙治療として健康保険が適用される嬉しいメリットがあります。

禁煙補助薬については、厚生労働省のサイトで詳しく説明されています

e-ヘルスネット(厚生労働省)

禁煙外来を受診する

総合病院や、内科、循環器科、婦人科、外科、心療内科、耳鼻咽喉科など様々な診療科では禁煙外来を行なっています。

ニコチン依存症は病気と認識されるので、禁煙外来も健康保険が適用されます。

禁煙外来では、喫煙歴や健康状態などから、医師がその人に合ったな禁煙治療を行ってくれます。

医師のサポートを受けながら最適な方法で禁煙できるので、ひとりではどうしてもできなかった方にオススメです。

アプリを使って禁煙する

禁煙するにはアプリも便利です

いつも持ち歩いて常に近くにあるスマホのアプリを使って、禁煙を達成しましょう!