男女問わず憧れるシックスパック
“割れた腹筋”は、日々のトレーニングで得られる賜物であり、美しいボディの象徴ともいえます。
それを実現するために重要なのが、腹筋です。
言わずと知れたお腹にある筋肉のことですが、この腹筋は、実は1つではありません。
幾つかの筋肉に分かれていて、中でもシックスパック作りに欠かせないのが、「腹直筋」です。
最も見栄えに影響するパーツで、ここをうまく鍛えることこそが“割れた腹筋”への近道なのです。
そこで今回は、鍛えた腹直筋がもたらす効果と、効率的なトレーニング方法を解説していきます。
1:「腹直筋」はどんな筋肉?
腹直筋は、お腹の表面・中央部に沿って位置していて、肋骨から恥骨まである長い筋肉で、体の表面に近い「アウターマッスル」のひとつです。
真ん中を縦に走る「白線(はくせん)」と、横に走る「腱画(けんかく)」という2種類の腱があり、
これによって、筋肉が6つ(ないしは8つ)に分かれています。
そう「シックスパック」という名称は、この腹直筋の構造から来ているんですね。
また、腹筋には、腹直筋のほかにも、大きく3つの筋肉があります。
・その深部にあるインナーマッスル「内腹斜筋」。
・一番深いところにあるインナーマッスル「腹横筋」。
いずれも、体の屈曲や呼吸する時などにおいて重要な役割を担っています。
それぞれの筋肉は大きさも場所も違いますが、腹直筋は、トレーニングの効果が最も分かりやすい腹筋パーツといえます。
2:腹直筋は、鍛えるといろんな効果をもたらしてくれる
▼ポッコリお腹の改善
中高年に多いポッコリお腹の原因の1つが、加齢とともに内臓が下がってくること。
腹直筋を鍛えると、下がっていた内臓を押し上げ、正常な位置へ戻すことができます。
つまりポッコリお腹の予防や改善につながるのです。
さらに、内臓の動きもよくなるため、便秘解消や老廃物の排出促進にも効果的です。
▼太りにくい体質になる
ダイエットを目指す人にとって重要な、基礎代謝のアップ。
そのためには、全身の筋量を増やさなければなりません。
腹直筋は体の中心にある大きな筋肉なので、鍛えて大きくすると全身に占める筋量の割合も増え、結果、基礎代謝があがります。結果、自然と痩せやすい体になり、ダイエットにも有効なのです。
▼姿勢を良くして腰痛・肩こり解消
腹直筋は、背中にある脊柱起立筋とともに体の中心にあり、前側から体を支えています。
そのため、腹直筋を鍛えると期待できるのが、姿勢の改善。
また、姿勢が良くなることで疲れにくくなり、腰痛や肩こりの解消にもつながります。
▼モテる!
「モテ男」になるためには逞しい体は不可欠。
中でも、割れた腹筋をカッコ良いと思う女性はたくさんいます。
とくに中高年の場合、多くの男性がポッコリお腹になる中で、バキバキのお腹を維持していれば、その魅力は若い男子のそれ以上になること間違いありません。
3:ジムに行かなくてもできる 自宅で手軽にシックスパック
では、腹直筋はどのように鍛えれば良いのでしょうか。
結論からいうと、基本に忠実に行えば、さほどハードなトレーニングは必要ありません。
ジムに行ったり、特別な器具を使ったりしなくてもできるのが、腹直筋のトレーニングなのです。
ここでは、自宅やオフィスでできるエクササイズを中心に紹介していきます。
▼腹直筋をダイレクトに鍛える「クランチ」
初心者でも簡単に取り組めるのがこの「クランチ」。
皆さんご存じのトレーニングメニューですが、いま一度正しいやり方をレクチャーしておきます。
② 両手は後頭部で組めれば理想ですが無理ならお腹に乗せましょう。
③ へそを覗き込むように上半身を起こし、膝におでこをつけます。
④ 上半身を元の位置へ戻します。
1セット15回以上で3セット行います。
インターバルは30秒~1分。
・下半身を固定するとやりやすくなります。
・③で息を吐き、④で息を吸いましょう。
▼より負荷をかけるなら「V字クランチ」
クランチだけでは物足りないと感じる人には、「V字クランチ」もオススメ。
全身を使い、体力とともに体幹も鍛えられます。
② 腰を曲げ、両手を両足のつまさきにタッチ。
③ ①のポジションへ戻ります。
10回を目安に3セット行います。
慣れてきたらスピードをあげていきましょう。
▼無駄な動きを抑えるなら「ダブルクランチ」
腹直筋は、縦に長い筋肉です。
クランチは腹直筋全体を鍛えられますが、上部と下部を分けて鍛えるやり方もあります。
その手法の1つ「ダブルクランチ」を紹介しましょう。
無駄な動きを抑え、より“腹直筋だけ”を意識することができます。
② クランチの要領で上半身はおへそを覗き込みます。
③ 同時に両膝を上半身に引き付けます。
④ 上半身と両膝を元のポジションへ。
1セット15回以上で3セットを目安に。
クランチほど上半身の軌道が大きくないので、腰を痛めるリスクが減ります。
・腹直筋の上部と下部が使われていることを意識しましょう。
▼腹斜筋も鍛えられる「バイシクルクランチ」
くびれが欲しい女性や、脇腹の脂肪が気になる中高年男性などは、お腹の横にある「腹斜筋」も一緒に鍛えてみましょう。
② 膝を引き寄せるように床から離します。
③ 両手を頭の横または後頭部へ持っていき、上半身を浮かせます。
④ 左膝を引き寄せ、右肘につけるように上半身をひねります。
⑤ 次は同様に、逆側へひねります。
左右合計で20~30回を3セット。
スタミナも必要なので、インターバルは2分ほどあけてもOKです。
・ひねりを大きくするほど、腹斜筋に効きます。
▼インナーマッスルにも効く「レッグレイズ」
腹筋下部に加え、腸腰筋(インナーマッスル)も鍛えられるエクササイズです。
基礎代謝を上げるためには取り入れることをオススメします。
② 両手は後頭部か腰の後ろへ回しましょう。
③ 両足を伸ばしたまま、お腹と太ももが直角になるところまで上げていきます。
④ 今度は両足を下げ、地面につく手前で切り返し、また上げていきます。
1セットを15~20回、3セット行いましょう。
腰への負担が心配であれば、膝を少し曲げて可動域を少なくしても構いません。
・スピードをあげると腰をそってしまうので、速度は調節してください。
▼ちょっとした空き時間にできる「ニートゥチェスト」
これは、デスクワークの合間やテレビを見ながらなど、イスやソファを使ってできるエクササイズです。
主に下っ腹を刺激します。
② 両足を浮かせて膝を90度に。
③ 右足だけを伸ばして2秒静止。
④ 右足を戻し、今度は左足も同様に行います。
左右交互に15回ずつ、5セットを目指します。
両手でイスをつかんでも構いません。
どの腹直筋トレーニングも、呼吸を意識すると効果が高められます。
基本は腹直筋を収縮させる(力を入れる)ときに息を吐き、戻すときに息を吸うこと。
また、回数を増やすことを意識するのではなく。基本的なフォームをしっかり守ることも重要です。
腹直筋は、毎日鍛えても問題ない筋肉なので、無理のないメニューを日課にして、理想のシックスパックを手に入れましょう。