フィットネスに対する認識が高まっている現在、痩せるために有酸素運動が効果的なことは多くの人が知っているところでしょう。
しかし、実際に有酸素運動のためにジムに通ったり、外でジョギングするとなると、意外にハードルが高いと感じる人が少なくありません。
ジムに通うための入会金から月々の会費は決して安いものではありませんし、ジョギングで外を走るのも、時間の制約や天気にも左右されるなどのデメリットがあります。
そんななかで、注目したいのが自宅でできる有酸素運動です。自宅であれば、時間や費用の制約も少ないですし、工夫次第ではかなりの効果が期待できます。
自宅でできる有酸素運動の効果的な方法や必要なサポート器具などをご紹介しましょう。
有酸素運動は自宅でも行える
・有酸素運動とは
一般的に有酸素運動とは、負荷が軽く、比較的長時間運動を続けることができる持続性の高い運動とされています。
多くの酸素を体内に取り入れ、その酸素で体内の脂肪を燃焼させる効果にすぐれた運動を指します。
人間は運動する際に筋肉中に蓄積されているグリコーゲンをまず使うため、最も減らしたい体脂肪は有酸素運動をしないと効果的に減らすことができません。
ジムで筋トレをしている人でも、ランニングマシンなどで有酸素運動を行うと、減量効果が格段に上がります。
有酸素運動としてよく知られているものにジョギング、ランニングマシン、エアロバイクといったものがあります。
これらはいずれも自分のペースで無理なく長時間続けられるのが大きな特徴です。
有酸素運動として行える運動種目はジョギングなどの他にも、水泳やエアロビクス、サイクリング、ウォーキングなど多数あります。
工夫次第でいろいろな種目が効果的な有酸素運動として使えます。
今回は特に自宅でできる有酸素運動をご紹介しましょう。
・自宅で有酸素運動を行うことのメリット
自宅で有酸素運動を行うと次のようなメリットがあります。
・好きな時間にできる
・人目を気にする必要がない
・費用がほとんどかからない
・自分のペースで行える
スポーツクラブに行けば、ランニングマシンやエアロバイクなど、効果的な有酸素運動器具が揃っていますが、入会金も月々の会費もかかります。
その点、自宅での有酸素運動ならば費用がほとんどかからない一方で、工夫次第でかなりの効果が期待できます。
気軽に好きな時間にできるのも、自宅での有酸素運動の大きなメリットです。
スポーツクラブで運動するには費用だけでなく、ジムに行くまでの手間や周りの人目に気を遣うなど、自分のペースだけで運動できないことが多いです。
自宅であれば、ジムではデメリットになることの心配がほとんどありません。
・自重での有酸素運動でも十分に効果がある
有酸素運動は大きな負荷が必要ないので、自重だけでも十分な効果が期待できます。
筋肉を大きくしたり、筋力を大幅に伸ばしたいのであれば、バーベルやマシンなどの筋トレ器具が必要になりますが、有酸素運動は自重だけで十分です。
有酸素運動は比較的に長時間継続できるかが重要になりますから、自重を超える負荷だと、かえって効果が出にくくなります。
よほど筋力や持久力がある人であれば、自重以上の負荷が必要になりますが、自宅で手軽に行うものなら自重だけで十分な効果があります。
今回ご紹介する有酸素運動は筋肉を鍛える無酸素運動としての側面もありますが、比較的、長時間継続することで、有酸素運動としての効果を最大化できるでしょう。
有酸素運動を自宅で行う際のサポート器具
・ヨガマット
自宅で有酸素運動を行う際には、それほどの器具を必要としませんが、ヨガマットがあると非常に便利です。
ヨガマットはもともとヨガのために作られているものですが、有酸素運動を行う際にも快適に運動するのに役立ちます。
ヨガマットは長さ180センチ、幅60センチという大きさが一般的ですが、体格に合わせて大きさを選べます。
厚さや素材、色やデザインにいたるまで、多くの種類があります。
厚さは1、2ミリの薄手のものから12ミリまでの厚手のものまであります。
厚くなるほど重くなりますが、自宅で使う場合は厚手のマットがオススメです。
ヨガマットはホームセンターやスポーツ店、百貨店、ヨガ専門店などで購入可能です。
通販でも手に入りますが、素材の手触りや硬さなどを確認するために、直接お店で確認してから購入した方がいいでしょう。
・フラフープ
ウエスト周りを中心として、脂肪燃焼効果があるのがフラフープです。
大きな輪をウエストで回転させるフラフープはもともと子供のおもちゃとして開発され、日本でも昭和30年代に大流行した歴史があります。
近年はダイエット器具としても注目されており、大きさや重さ、素材など数多くの製品が売られています。
サイズについては調節できるものがありますから、フラフープの直径を自分の体格にぴったり合わせることが可能です。
重さは500グラムから1キロほどのものがありますので、使いやすいものを選びましょう。
実際にお店で試してみると、自分に合った重さがわかりやすいです。
フラフープはおもちゃ屋でも買えますし、ホームセンターやスポーツ店でも扱っています。
値段は安いものだと1,000円ほどで、高くても5,000円しないぐらいでから、それほど費用が負担にはならないでしょう。
自宅で行える有酸素運動6選
自宅で行う有酸素運動の有効性がご理解できたと思います。
外に出ずに運動効果が得られるなんでいいですよね。
ここでは、自宅でできる有酸素運動を6種類を紹介していきたいと思います。
今回紹介する有酸素運動は以下の6種目になります。
・スロースクワット
・バービージャンプ
・フラフープ
・シャドーボクシング
・サーキットトレーニング
それぞれのやり方や効果を覚えて効果的に自宅で体を動かしていきましょう。
・ニ―アップ
ニ―アップは太ももからお尻周りにかけて、腹筋などの体幹部まで鍛えられる種目です。
太もも全面の大腿四頭筋は主に押すための筋肉ですが、ニ―アップは反対方向に動かして鍛えます。
ニ―アップすることで、腹筋全面の直腹筋から外腹斜筋、内腹斜筋、腸腰筋にいたるまで、広い範囲で鍛えられます。有酸素運動としての効果と共に、下半身からお腹周りまでのシェイプアップになります。
③腿上げの動作中、上半身が前傾したり、背中が丸くならないように、背筋を真っすぐ伸ばすようにしましょう。
③片方の腿を上げた状態で、他方の脚だけで全身を支えることになりますから、不安定になりがちです。支えている足の裏全体で床を押すような感じでバランスを取るようにします。
④それでも不安定になるようであれば、片方の手で家具や椅子を掴んで動作するとバランスが取りやすくなります。慣れれば、片方の足だけで、立っているのが苦にならなくなります。
⑤腿上げを左右それぞれ5回ずつを1セットとして、これを3セット繰り返すのを目標にしてください。
最初は1セットだけでも十分ですが、筋力や持久力がついてくれば片足10回ずつが苦もなくできるようになるでしょう。
・スロースクワット
スロースクワットは太もも全面の大腿四頭筋を始めとし、大殿筋やハムストリングスなど、広範囲に下半身を鍛えてくれます。
スクワットは本来、下半身の筋肉を鍛える無酸素運動の面が強いですが、ゆっくりと動作するスロースクワットは1セットにかかる所要時間が長いため、有酸素運動としての効果も大きくなります。
②手を頭の後ろで組んで、太ももが床と並行になるまで、ゆっくりとしゃがみます。
③時間にすれば、床と並行になるまでに5秒ぐらいかけてしゃがみましょう。
④しゃがんだ位置からゆっくりと立ち上がりますが、所要時間としては降ろす動作が5~6秒、立ち上がるのに2~3秒といったところです。
しゃがむ動作だけで5~6秒かかりますが、降ろし切った状態で息を吸い切るように呼吸してください。
普通のスクワットよりも2倍ぐらいの時間をかけることで、有酸素運動としての効果が顕著になります。これらの動作を1セットあたり10回、3セットを目指しましょう。
スロースクワットは通常のスクワットよりも時間がかかる分、きつい運動になります。
・バービースクワット
バービースクワットは一連の動作の中で、「腕立て伏せ」「スクワット」「ジャンプ」を行う、かなりの全身運動です。
通常のスクワットのように下半身全体を鍛えると共に、大胸筋や肩、腕、腹筋、背筋にいたるまで、広範囲に鍛えます。
動作全体を素早く行うことで、有酸素運動としての効果も大きくなります。
②両手の幅は腕立て伏せをするのにちょうどいい肩幅の1.5倍ぐらいにしてください。
③このスタートポジションから、そのまま両足を勢いよく後ろに投げ出すようにして移動させましょう。
④両足が後ろに移動したことで、両手で身体を支えた腕立て伏せの態勢になりますから、そこで、1回腕立て伏せをします。
⑤そして、後ろにある両足を勢いよく戻して、しゃがんだ状態からスクワットの要領でジャンプして、頭の上で1回拍手します。ここまでの一連の動きで1回として数え、これを10回繰り返して1セットとします。
1セットだけでもかなりの運動量ですが、これをさらに2セット、合計で3セット繰り返すのを目標にしましょう。
・フラフープ
フラフープを正しく使うと、ウエスト周りを中心として、かなり効果的な有酸素運動になります。
フラフープ運動が有酸素運動として効果を上げる前提条件として、フラフープの直径サイズが自分に合っていることと、重さが適切であることが必要です。
②左右5分間ずつの回転を合わせて1セットと数え、さらに2セット行うと効果的です。時間にすれば長いようでも、フラフープ運動はスクワットなどと比べて強度が低いので、それほどきつくはありません。
慣れるほどに回転スピードが速くなって、有酸素運動としての絶対量が増えてきます。
・シャドーボクシング
シャドーボクシングは実際にボクシングをしている人たちも実践している訓練方法ですが、減量目的の有酸素運動としても効果的です。
ボクサーが最も短期間に減量を成功させていることから見ても、ボクサーの運動方法は参考になるでしょう。
シャドーボクシングでは、実際にパンチミットやサンドバックを打ちませんので、自宅でもできる有酸素運動としてオススメです。
シャドーボクシングというと、上半身ばかりを使って、下半身の運動にはならないイメージがありますが、パンチ以外にもフットワークを使うことで、かなりの全身運動になります。
②そこから右手でジャブを打ち、続けて左手でストレート、最後に右手で豪快にアッパーを放ちます。右手を戻したら、その場で3秒間ステップします。
③次に、左手でジャブを打ち、続けて右手でストレート、最後に左手でアッパーを放ち、拳を元に戻して、その場で3秒間のステップと続けます。
これらの左右の動きを順番に5分間続けます。この5分間を1セットとして、これを3セット繰り返してみましょう。1セットの5分だけでもかなりの汗が出るのがわかるでしょう。
*上記の動画を参考にして行っても効果的に有酸素運動ができます。
・サーキットトレーニング
上記の5種目はひとつの種目を単独で行う有酸素運動でしたが、サーキットトレーニングは複数の種目をインターバル抜きで連続して行うトレーニング方法です。
5種目から10種目を選んで、ひとつの種目で所定の回数をこなしたら、次の種目をすぐに行い、全部の種目を完了するまでノンストップで行います。
それぞれの種目を次々とこなし、筋肉を鍛える無酸素運動と体脂肪を燃焼させる有酸素運動を兼ね合わせた効果があります。
メニューの種目を1セットずつすべて完了した段階で、サーキットトレーニングの1セットが完了しますから、かなりハードなトレーニングになります。
全種目完了してから初めて1分から2分ほどインターバルを取るようにしましょう。
サーキットトレーニングでよくあるミスが下半身あるいは上半身に運動種目が偏ってしまうことです。全身の筋肉が鍛えられるようにメニューを組むようにしてください。
サーキットトレーニングは正しく行えば、有酸素運動としても絶大な効果があります。
今まで紹介した有酸素運動を組み合わせてサーキットトレーニングを行ってみましょう。
②フラフープ 1分
③ニ―アップ 左右10回づつ
④シャドーボクシング1分
⑤バービージャンプ 10回
⑥①~⑤の動作を3セット繰り返す。(セット間のインターバル1分~2分)
*このほか上記の動画のようなサーキットトレーニングも取り入れて運動に励んでみてください。
有酸素運動後には体のストレッチを
有酸素運動後には必ず体のストレッチをするようにしましょう。
運動後に何もせずに終わるようだと、筋肉が収縮して硬くなったままになってしまうからです。
ストレッチをすることで、こわばった筋肉をほぐして、血流を良くしてリラックスさせられます。ただし、ストレッチも間違った方法で行うと逆効果になってしまいます。
ストレッチは有酸素運動後はもちろん、運動の前にも行うようにしてください。運動後は体のこわばりを取るためですが、運動前のストレッチは体全体のウォームアップになります。
ストレッチでは、ターゲットになる筋肉を伸ばしたまま、その姿勢を10秒ほど保持します。
動画の動きをまねしながら、無理に伸ばすのではなく、やや引っ張られるぐらいの感じで伸ばすようにしましょう。
無理なストレッチは筋肉を傷める危険があるので、注意が必要です。
有酸素運動の前後にしっかりとストレッチをすることで、パフォーマンス能力の向上とケガの防止になりますから、ぜひストレッチを行うようにしてください。
有酸素運動を駆使して健康的な体へ
ここまで、自宅でできる効果的な有酸素運動6選についてご紹介しました。これらの6種目の中から、最低でも1種目は実践するのがオススメです。
6種目全部行なってもいいですが、体力的に苦しければ、自分に合わせて調節しましょう。
上記の6つの種目について、それぞれ3セット行うのがオススメですが、最初からいきなり3セットずつではきついかもしれません。
その場合はまずは各種目1セットずつから始めて、慣れるにしたがって、セット数を増やすようにてください。筋力や持久力がついてくれば無理なく、1セットあたりの回数も増えてくるでしょう。
1セット終わったらすぐに次のセットを行うのではなく、セット間に1分間のインターバルを挟んでください。続けざまに運動を続けると疲労で十分な運動量が確保できません。
必ず正しいフォームで行うようにしてください。正しいフォームであれば、鍛えるべき筋肉の可動域が最大限になって、有酸素運動としての効果も最大化できます。
継続的な有酸素運動を取り入れて健康的な体を手に入れましょう。