小胸筋は、大胸筋の奥にあるインナーマッスルです。
上部が肩甲骨、下部が肋骨につながっていて、サスペンダーのように胸まわりの筋肉を支えています。
また、肩甲骨を動かしたり、肋骨を動かして呼吸をサポートしたりする役割も担っていて、日々の生活にも欠かせません。
こうした作用があることから、小胸筋は、実は鍛えることでたくさんのメリットがあるのです。
そこでここでは、小胸筋の効果的なトレーニングメニューを紹介していきましょう。
小胸筋を鍛えると、どんなメリットがあるの?
胸板の見栄えが劇的に変わる
小胸筋は、胸の深部にあるいわば「土台」。
ここが大きくなると、外側にある大胸筋を盛り上げてくれるので、結果として胸板が分厚くなります。
また、あばら骨で囲まれた「胸郭」という空間部分が、小胸筋によって引っ張られて広がるため、肩幅も広がります。
胸をより逞しくしたい、カッコいい逆三角形の体を作りたい、といった人には小胸筋をしっかり鍛えるトレーニングはオススメです。
女性が憧れる美バストを実現する
小胸筋は、バストやウエストなどのスタイルにも影響する筋肉です。
胸全体を肩から引き上げているほか、バストを内側へ寄せる役割があり、鍛えれば、胸の下垂を防ぎ、美しい谷間を実現してくれます。
また、肋骨を引き上げ呼吸のサポートもしているので、肋骨が下がって骨盤との間が狭くなる状態を防ぎ、くびれの維持効果も期待できます。
簡単、小胸筋の効果的なトレーニングメニュー
小胸筋は大胸筋のトレーニングでも鍛えられますが、より効果的に刺激するならピンポイントでのトレーニングがオススメです。ここからは、具体的なメニューを挙げていきます。
効果絶大の「ダンベルプルオーバー」
トレーニング用のフラットベンチがあるなら小胸筋をメインターゲットにできるこの種目が効果的です。
② 弧を描くようにダンベルを頭上から後方~さらに床に向かっておろしていきます。
③ それを引き上げて元に位置へ。
一連の動きを8~10回、3セット行います。
・全体のモーションを大きくすることも効果を上げるコツです。
小胸筋トレーニングの代表格「ディップス」
小胸筋をピンポイントで鍛える定番メニュー。いわば“上半身のスクワット”です。
ディップスタンドや平行棒のような遊具があれば理想ですが、テーブルやイスを二つ用意して代用しても構いません。
② 床に足がつかないよう肘を曲げ、体を沈めます。
③ 今度は肘を伸ばして元に位置へ戻ります。
これを10~12回、3セット行いましょう。
・より負荷をかけたいなら②の時点で5秒ほど静止すると良いでしょう。
手軽にできる「リバースディップス」
これは、ベンチやソファーがあればどこでもできるディップスです。
② 両手をつけたまま両足を前に出し、お尻をベンチから離します。
③ 腕を90度ぐらいに曲げて体を沈めます。
④ お尻を床につけない状態で数秒間キープ。
⑤ ゆっくり元の位置へ。
これを8~12回、3セット繰り返しましょう。
・フィニッシュポイントでは、肘を伸ばしきることを意識してください
女性でもできる「ななめ腕立て伏せ」
これは筋力に自身がない女性でも無理なくできる腕立て伏せです。
② 頭からかかとまでを一直線にしたら、腕立て伏せをやります。
10回、3セットを目安に行いましょう。
・肘は脇から離してください。脇をしめてしまうと二の腕のトレーニングになってしまいます。
小胸筋のストレッチで日常生活を快適に
小胸筋は、肩甲骨を前に倒す働きがあるため、しなやかにしておくこともメリットがあります。
小胸筋が硬く収縮した状態になると、前傾姿勢になり、猫背や巻き肩になってしまうほか、血液循環も悪くなり、肩こりや、四十肩、五十肩を招きかねません。
そこで、快適な生活を送るためにも、小胸筋のストレッチもご紹介しておきます。
空き時間にできる椅子を使ったストレッチ
デスクワークの多い人は、前傾姿勢になりがちです。
適度なタイミングで座ったままできるストレッチをやってみましょう。
② 肩甲骨を後ろに倒します。
③ 胸を張り、肘を下に伸ばします。
深呼吸をしながら、これを10回ほど繰り返しましょう。
壁ドンの要領でできるストレッチ
今度は壁を使ったストレッチです。
② 手を壁につけたまま上半身を壁側に倒し、お辞儀をする体勢に。
③ 肩を押し込むように胸を伸ばしましょう。
静的ストレッチなので、③の状態でしばらく静止します。
心地よいと思えるところで20秒ほど行い、もう片方の腕も同様に行います。
メジャーなパーツではないものの、小胸筋は鍛えると様々なメリットをもたらしてくれます。
さほどハードな動きは必要ないので、補助的なトレーニングとして始めてみるのもいいかもしれませんね。
あなたも、小胸筋のエクササイズで理想とする美ボディを手に入れてみませんか?