前鋸筋は、大胸筋や上腕二頭筋などの筋肉と比べると、一般的にはそれほど知名度が大きな筋肉ではないと思います。
しかしながら、スポーツ場面などでは非常に大きな役割を果たし、パフォーマンスの向上には欠かせない筋肉になってくるのです。
また、パフォーマンスの向上のみならず美しいボディラインを作るためにも鍛えておくべき筋肉になるのです。
これを機会に前鋸筋の効果や素晴らしさを知り、体つくりに役立てていきましょう。
今回は前鋸筋を鍛えていくためのトレーニング方法をいくつか紹介していきたいともいます。
様々なトレーニング方法を学び地道な努力で自身の求める前鋸筋を作り上げましょう。
前鋸筋とは?
前鋸筋ってどこの筋肉?
前鋸筋ってあまり聞きなれない言葉ですが、どの位置にある筋肉かわかりますか?
前鋸筋は、胸のやや下あたりにあり、肋骨を覆うようについているのこぎりのような形の筋肉になります。
表明から見ると肋骨付近にしか筋肉がないように見えますが、実はこの筋肉は肩甲骨から肋骨にかけて広い範囲で筋肉が付着しているのです。
トレーニング初心者の方などはこの筋肉を見落としがちで、軽視されやすい部位になりますが、上半身の多くの動きの際に使用される非常に重要な役割を持った筋肉になるのです。
前鋸筋の役割
前鋸筋は肩甲骨から肋骨にかけて付着しているため、この筋肉が収縮することによって肩甲骨を前に押し出す役割を持っています。
具体的には、腕を大きく前に伸ばす時や体を捻るときなどに収縮し動きを助けてくれるのです。
また、肩甲骨を安定させる場面にも使用される筋肉であるため、肩回りの動きの安定性を生み出す役割を果たす筋肉になるのです。
前鋸筋を鍛えるメリット
日常生活やスポーツ場面では、腕や肩の動きを使用する場面ってたくさんありますよね。
そのため、この前鋸筋を鍛えておくことで多くのメリットを得ることができるのですよ。
トレーニングを取り入れ鍛えておくことによってスポーツパフォーマンスの向上や日常生活をより快適にしてくれます。
どのようなメリットが得ることができるのか確認していきましょう。
日常生活でのメリット
前鋸筋を鍛えることによって、日常生活の中では以下のようなメリットを得ることができます。
- 遠くのものをとるときに腕を長く、安定して伸ばすことができるようになる。
- 肩甲骨周りを安定させ、姿勢の崩れを改善できる。
などなど多くの場面でメリットをもたらします。
前鋸筋をトレーニングで鍛えておくことによって日常生活での様々な動きや姿勢を難なくできるようになるのです。
スポーツ場面でのメリット
また、日常生活の他にもスポーツ場面でのパフォーマンスの向上にも役に立ちます。
前鋸筋は肩甲骨を伸ばす動作やひねりの時動作の時に使用されるため、
- ボクシングでのパンチ動作(ストレート)
- フェンシングでのつき
- 野球でのバッティング
などなどの動作時に力を発揮しパワフルな動きを可能にしてくれます。
スポーツでのパフォーマンスを向上させるためには鍛えるべき筋肉の一つになるのです。
たくましい上半身を作ることができる。
また動作の他にも上記で紹介したように美しいボディラインを作るさいにも必要になります。
前鋸筋にかかる負荷は日常生活だけでは筋肉に負荷が小さいため、なかなか思った通りに筋肉を発達させていくことができません。
美しいボディラインを作り上げるためには、前鋸筋にかかる負荷もある程度は大切になります。
トレーニングによって大きな負荷を前鋸筋に与えることによって自身の理想とする腕を作り上げることができるのです。
前鋸筋の鍛え方5選
前鋸筋を鍛える際には肩甲骨を伸ばす動きすることによって筋肉に刺激を入れ発達させていくことができます。
今回、ご紹介する前鋸筋を鍛えるトレーニング方法は
- 前鋸筋プッシュアップ
- ディップス
- ショルダーフロート
- ダンベルフライ
- ダンベルプルオーバー
の5つのトレーニングです。
前鋸筋プッシュアップとデイップスは自重によるトレーニング。
ショルダーフロート・ダンベルフライ・ダンベルプルオーバーをダンベルを用いたトレーニングになります。
これらのトレーニングを理解し、自身の前鋸筋の発達に合ったトレーニングを取り入れ、効果的に前鋸筋を鍛えていきましょう。
前鋸筋プッシュアップ
まず、ご紹介する前鋸筋を鍛えるトレーニングは、自重でのトレーニングである前鋸筋プッシュアップです。
トレーニング器具がいらないためトレーニング器具がない人でも手軽に行えるトレーニングになります。
また、負荷もそれほど高くないため、トレーニング初心者向けのトレーニングになります。
まずはこのトレーニングから取り入れて前鋸筋を鍛えていけれるようにしましょう。
①床にマットをひき、腕たてのの状態をとる。
②肩甲骨を大きくよせる(スタートポジション)
③腕を大きく伸ばすように肩甲骨をのばす。
④限界まで伸びきったらもとのいちまでもどす。
⑤この動作を15回×3セットほど行う(インターバル1分)
・腕の曲げ伸ばしにならないように肘を伸ばしたまま、肩甲骨の引きよせ・引き延ばしを意識してトレーニングを行う。
・腰が上がりすぎないように体幹は常にまっすぐにする。
ディップス
続いて紹介する前鋸筋を鍛えるトレーニングは、ディップスです。
ディップスは前鋸筋に加えて大胸筋や上腕三頭筋の同時に鍛えることができるトレーニングになるのです。
このトレーニングも特別なトレーニング器具がなくてもいすを並べて行うことができるなどお手軽にできるトレーニングになります。
前鋸筋プッシュアップよりも負荷の高いトレーニングになるため、まずは前鋸筋プッシュアップが楽々とできるようになってからこのトレーニングに取り掛かるようにしましょう。
ディップスのトレーニングフォームを覚えて、効果的に上前鋸筋を鍛えていきましょう。
①椅子を2つ並べるなど両腕で体を支える体勢をとる(スタートポジション)
②肘を曲げ筋肉に負荷をかけていく
③肘の角度が90度ぐらいになったら、スタートポジションまで体を押し上げる。
④この動作を15回×3セットほど行う(インターバル1分)
・反動を使わないように腕の力で体を上げ下げする。
・体を揺らさない
・肩を深く入れすぎないようにする。
ショルダーフロート
続いて、紹介する前鋸筋を鍛えるトレーニングは、ショルダーフロートです。
ここからはダンベルを使用したトレーニングになります。
ショルダーフロートは前鋸筋のみをメインに鍛えることのできる数少ないトレーニングになります。
また、ダンベルを用いることで大きな負荷を前鋸筋にかけることができ発達を促進させることのできるトレーニングになります。
ショルダーフロートのやり方をマスターし、効果的に前鋸筋を鍛えていきましょう。
①地面にマットを引き、仰向けに寝転ぶ
②ダンベルを手に持ち、背中を地面につけてまま、腕を天井方向へ向ける。(スタートポジション)
③腕を大きく天井方向に押し上げる(肩入れをする)
④限界まで来たらゆっくりとスタートポジションに戻る
⑤この動作を15回×3セットほど行う
・重いダンベルだと肩の力に頼ってしまい前鋸筋を上手く使えない可能性があるため、前鋸筋の動きを意識できる程度の重さに設定する。
・腕や肩回りに痛みを感じたら直ちにやめる
ダンベルフライ
続いて紹介する、前鋸筋を鍛えるトレーニングはダンベルフライです。
ダンベルフライというと大胸筋を鍛えるトレーニングをイメージしますが、実は前鋸筋にも大きな負荷をかけることのできるトレーニングなのです。
大きな大胸筋に引き締まった脇腹を手に入れたい人にもってこいのトレーニングになります。
見た目を重視する人はこのトレーニングを取り入れてみてください。
しっかりとしたフォームで行えるように正しいやり方をマスターしましょう。
①ベンチ台の上に仰向けに寝転ぶ
②ダンベルを両手に持ち天井方向に腕を上げる。(スタートポジション)
③左右に大きく腕を開いていき(肘の角度が90度になるように)、腕が肩のラインまで来たら元の位置までもどす。
④この動作を10回×3セットほど行う。(インターバル1分ほど)
・腕を左右に開く際、肘が伸び切っていると肘に大きな負荷がかかり傷める危険性があるため90度になるように曲げておくようにする。
・大胸筋を開くように、大きな可動域でトレーニングを行う。
ダンベルプルオーバー
最後に紹介する、前鋸筋を鍛えるトレーニング方法はダンベルプルオーバーです。
ダンベルプルオーバーは、大胸筋や広背筋など上半身の大きな筋肉に加えて、前鋸筋にも負荷を入れることのできるトレーニングになります。
1つのトレーニングで上半身の多くの筋肉を鍛えたい人におすすめのトレーニング方法になります。
ダンベルプルオーバーの正しいやり方を覚えて、たくましい上半身を作っていきましょう。
①ベンチ台の上に仰向けに寝転ぶ
②ダンベルを持ち、天井方向に腕を伸ばす(スタートポジション)
➂腕を伸ばしたまま地面につかないように頭方向にダンベルを倒していく。
④限界まで下げたら元の位置までゆっくりと持ち上げる
⑤この動作を15回×3セットほど行う。
・常に胸を大きく張ることを意識する
・肘の角度は一定に保ったまま肩関節の動作のみで行う。
・動きが小さくならないように大きな動きでトレーニングを行ことを意識する
前鋸筋のトレーニング後にはストレッチを!
前鋸筋を鍛えるトレーニングを行った後には、ストレッチも欠かさずに行うようにしましょう。
激しいトレーニングを行うと前鋸筋の筋肉内に疲労物質が溜まりやすく、それが原因でケガを発症するなどのリスクも高まります。
トレーニング後のストレッチには、筋トレでたまった疲労物質を分解する働きがあり、トレーニングによる疲労を軽減することができるのです。
前鋸筋の正しいストレッチ方法を学んで、トレーニング後に実践していけれるようにしましょう。
①壁の前に横向きで立つ。
②手のひらを壁につける(肩の位置あたり)(スタートポジション)
③脚の位置を固定したまま体を反対の手の方向へ向けて捻る。
④前鋸筋のストレッチを感じながら20秒ほど筋肉をのばす
⑤終わったら反対の腕でも行う
・体を捻り前鋸筋を伸ばす際はしっかりと前鋸筋が伸びるように背筋を伸ばしてストレッチを行う。
前鋸筋を鍛えてかっこいい上半身を作り上げよう!
また、筋肉を効率的に鍛えていくためには、1日のみのトレーニングでは効果がほとんど得ることができません。
前鋸筋を鍛えきれいなボディラインを作り上げるには、継続的なトレーニングが必要になります。
3日坊主で終わらないためには
・いきなり無理な重さで行わないこと
・まずは週1からなど継続可能な頻度で行うこと
・いつトレーニングを行ったのか手帳にチェックする
・理想の自分を常に想像する
など工夫をして単発でのトレーニングにならないように心がけましょう。
自身の求める美しいボディラインを作れるかどうかは自分自身にかかってますよ!
かっこいい体を作り上げ周りに自慢しましょう。