「余分な脂肪を削ぎ落とせ!減量期の食事メニューと筋トレ」
夏も近づいてきて、「そろそろダイエットしたい」「夏までに割れた腹筋を手に入れたい」そんな声が聞こえてくる季節になりました。
私自身、パーソナルトレーナーとして多くの方をダイエット成功に導いてきましたが、この時期が1番頑張り時です。
今回は、ダイエットを行う上で覚えておきたい知識から、実際に目標の体重に到達するための食事方法。
そして、減量期に行う筋トレや効率のいいダイエット方法をご紹介します。
体重が減少するメカニズム
そもそも、人の体重が減少するメカニズムは、消費カロリーに対して摂取カロリーが下回ることです。
たくさんのダイエット方法がありますが、基本は消費カロリーが多い状態を保つことで、体重は減少していきます。
「消費カロリーを増やすためにたくさん運動すればいいの?」「カロリーを摂取しなければいいの?」
確かにそのような行動を取れば「体重」を落とすことはできますが、「脂肪」が効率よく燃焼されるわけでありません。
誰もが落としたいのは「余分な脂肪」だと思います。
では、その脂肪を落とすためには具体的にどのようにすればいいのか、まずは脂肪について知る必要があります。
脂肪ってなに?
脂肪とは、人体に必要な栄養素の1つであり一般的には悪者とされている存在です。
しかし、本当は人体の味方であるにも関わらず、知られていない秘密がたくさんあります。
・脂肪は敵じゃない
確かに、内臓脂肪や皮下脂肪が多いとお腹のたるみといった外見に対する悪影響があります。
さらに、中性脂肪などにより心臓血管系の病気や高脂血症などの健康に害を及ぼす病気にもなりやすくなります。
しかし、ホルモンの生成に必要であったり、肌の潤滑油にもなる人体に欠かせない栄養素です。
現代では滅多にありませんが、食糧難になったとき栄養の備蓄として使われるのがこの脂肪であり、骨のないお腹周りに対しては臓器を守るクッションの役割を果たします。
・脂肪1kg落とすためには7200kcalの消費が必要
ダイエットをして脂肪を落とす時に、どれくらいカロリーを消費すれば脂肪を落とせるのか問題です。
ずばり、1kgの脂肪を消費するのに必要なカロリーは、「7200kcal」です。
気の遠くなるような数字ですが、1日に240kcal減らすことで1ヶ月で1kg落とすことが可能です。
「1ヶ月にそれだけしか脂肪を落とせないの?」
そんな言葉が聞こえてきそうですが、実は人の身体は思った以上に消費カロリーが多いのです。
体組成計の落とし穴
ダイエットにおいて重要なことは体脂肪を減らすことですが、一般的に使われる体組成計には知らないと損をする落とし穴があります。
多くの体組成計に用いられる体脂肪率の計算には、インピーダンス方式という、人体に微量の電気を通して計測する方法を用います。
脂肪が電気を通しにくいことを利用した計測方法ですが、正確に体脂肪率を測るために大きなルールがあります。
体内の水分量によって、計測結果に大きな差がでるので毎回同じ時間に測ることです。
オススメは夕方の食事前および入浴前です。
毎日同じ条件で体脂肪率を計測して、正しい情報を得ましょう。
消費カロリーと摂取カロリー
ダイエットに成功して理想の身体を手に入れるためには、消費カロリーと摂取カロリーについて知る必要があります。
消費カロリーとは
人の身体が1日に消費するカロリーは、活動量の少ない成人男性で2000kcal前後です。
実は人の身体は、大きく分けて3つの代謝によりこの大量のカロリーを消費しています。
基礎代謝
寝ている間でも常に消費され、1日の消費カロリーの7割程度を占める。
運動代謝
有酸素運動などにより消費されるカロリー、1日の消費カロリーの2割程度を占める。
食事誘発性代謝
食事を行う際に発生する代謝により消費されるカロリー、1日の消費カロリーの1割程度を占める。
有酸素運動は、運動代謝なので筋トレと比べるとカロリーを消費することに効果があります。
しかし、筋トレは基礎代謝を増やしてくれるので、結果的に痩せやすい身体を作りやすくなります。
消費カロリーを重視する時に気をつけたいのは、バランスです。
摂取カロリーとは
摂取カロリーとは、字の如く食事を行うことで栄養を体内に取り込むことです。
しかし、実は取り入れる栄養素によりその効果は大きく異なってきます。
摂取カロリーだけではなく、PFCバランスと呼ばれる人体に必要な三大栄養素があり、食事内容の管理がダイエットの要になります。
・PROTEIN=たんぱく質
筋肉や髪の毛など、人の身体を作る上で欠かせない栄養素。
1g=4kcalの摂取カロリー。
鶏胸肉・卵・赤身肉・魚介類などに多く含まれている。
・FAT=脂質
ホルモンの生成や、飢餓時の栄養の備蓄に使用され、各種栄養素を潤滑に回す役割を持つ。
1g=9kcalの摂取カロリー。
乳製品・ファストフード・ハム・ソーセージなどに多く含まれている。
・CARB=炭水化物
糖質と食物繊維が合わさった物の総称。
無酸素運動時に消費されやすい栄養素であり、各臓器や脳の働きに影響する栄養素。
1g=4kcalの摂取カロリー。
白米・小麦製品・根菜・芋類などに含まれている。
脂質だけが1gあたりの摂取カロリー数が9kcalと非常に高いため、脂質を避けた方がよい理由はここにあります。
しかし欠かせない栄養素であるため、摂取する際は白身魚などに含まれる「DHA」や「EPA」などの血液をサラサラにする成分がある上質な脂質をとりましょう。
PFCバランスの調節で行う2つのダイエット方法
では、人の体脂肪が落ちるメカニズムを知っていただいた上で、2つのダイエット方法をご紹介します。
ローファットダイエット
名前の通り、PFCバランスの中で脂質を抑えるダイエットです。
1gあたり9kcalと非常にカロリーが高い脂質を控える、一般的に行われるダイエットです。
1日の栄養摂取の目安として、炭水化物を5割から6割とり、たんぱく質を3割以上として、残りを脂質で取るようにしましょう。
ローファットの食事内容
(例)
成人男性体重70kg、1日の消費カロリーが2500kcalの設定。
1日に摂取カロリーを2000kcalを摂取。
炭水化物=300g
脂質=40g
たんぱく質=110g
炭水化物が多いように見えますが、脂質を制限するダイエットですので、1日のカロリーの半数は摂取しましょう。
たんぱく質は体重あたり1gから1.5gの摂取を目安にします。
脂質は、炭水化物とたんぱく質を計算したのちにとれる範囲で摂取します。
この例だと、1日に500kcal減らしているので30日間で体脂肪を2kg落とせる計算となります。
ただし、適切な体重の減少量は多くても1ヶ月で3kg以内にしましょう。
過度な体重の減少は、筋肉が落ちて目標の体重になっても理想の身体になりません。
ローファットダイエットのメリットとデメリット
1.少しずつカロリーを制限していくので、空腹感が少なく済む分、3ヶ月程度の期間が必要なので時間がかかる。
2.食生活を変えるので、基本的にはリバウンドのしにくいダイエット方法。
3.脂質を制限するだけなので、カロリーが多くなければ幅広い食事を行える。
ケトジェニックダイエット
近年、非常に流行っているダイエット方法です。
糖質を制限することにより、血糖値の上昇と脂質の生成を抑えた上で、ケトン体と呼ばれる物質により脂質をエネルギーとして使うダイエット方法です。
極端に糖質を制限することにより、ケトン体を発生させ脂質を栄養源にできる身体に変えます。
基本的に、人の身体は糖質をメインに使うため脂質を栄養源とするためには、マラソンなどの長時間行う運動をする必要があります。
しかし、身体の脂質をダイレクトに使用することで、脂肪燃焼を爆発的に行うことができるようになります。
ケトジェニックの食事内容
炭水化物=10g以内
脂質=1日の摂取カロリーの6割から8割
たんぱく質=体重に対して1gから1.5g
ケトジェニックには、基本的にはカロリー制限というものが存在しません。
その代わりに、糖質は10g以内、多くとも20gに納める必要があります。
糖質を中途半端に摂取してしまうと、「糖新生」という筋肉などの栄養を分解して糖質に変えてしまう現象が起こるためです。
また、筋肉がある程度落ちてしまうので筋トレは必ず必要になってきます。
また、基本的に食べるものは「MEG食」が中心となります。
・MEET
・EGG
・CHEESE
の頭文字をとったもので、糖質がほとんどなくケトジェニック中に食べるものになります。
ちなみに、私はダイエットを行う際3ヶ月間のうち最初の2ヶ月はローファットダイエットを行い、最後の1ヶ月をケトジェニックダイエットにします。
ケトジェニックダイエットを始めると1週間ほどでケトン体がでて脂肪をエネルギーにし始めます。
すると体重が急激に落ちて行きますが、最初に落ちた体重は、筋肉に含まれる水とグリコーゲンと呼ばれるものです。
最終的に、ケトジェニックによって4kg以上落とすことができるのですが、最初の頃にとある栄養素を取らなかったため、大変な目にあいました。
その栄養素は食物繊維です。
糖質をカットすると、自然と食物繊維の摂取量が減った結果、非常にお通じが悪くなり地獄をみました。
ですので、必ず糖質の少ない食物繊維豊富な野菜を取るようにしてください。
最近流行りのMCTオイルなども非常におすすめです。
ダイエット中の筋トレ
実は、ダイエットにおいてもっとも大切なことがこの筋トレです。
筋肉を増やす場合は、摂取カロリーが消費カロリーを上回ることが必須です。
しかし、ダイエットで消費カロリーが上回るとどうしても筋肉は落ちてしまいます。
目標の体重になったのに、身体が引き締まらなかったという経験はありませんか?
それは、ダイエットにより筋肉が落ちてしまった結果です。
では、ダイエット中にどのようなプロセスで筋トレを行えばいいか解説します。
筋トレを必ず行う
上記の通り、ダイエットを行う場合は必ず筋トレと組み合わせましょう。
ケトジェニックダイエットにおいては必須です。
筋肉がつくことにより基礎代謝が多くなり、なにもしなくても消費できるカロリーが多くなります。
無理なダイエットをすると代謝が落ちてしまい、締まりのない身体になってしまいます。
普段から筋トレを行なっている方は、ダイエット中に使用重量が落ちないように、できるだけ維持してください。
有酸素運動は筋トレのあとに
無酸素運動である筋トレと、有酸素運動であるランニング、どちらを優先して行えばいいかわからないという声があります。
オススメなのは、筋トレを行ったあとに有酸素運動を行うことです。
脂肪燃焼の効果を得るには、無酸素運動で糖質を使ったあとに有酸素運動を行った方が効果的です。
なぜなら、有酸素運動のみを行った場合より脂肪燃焼の成果が早く訪れるからです。
筋トレ後の有酸素運動の効果は2倍ほど変わるという説もあります。
筋トレをしたあとの有酸素運動の時間ですが、実は20分で脂肪燃焼のピークを迎えます。
そのあとは長く続けても、筋トレの疲労もあるので効果は低くなってしまいます。
また、脂肪燃焼に効果的な有酸素運動の速度は少し早めのウォーキングです。
隣の人と会話が軽くできる、早足程度の速度で試してみてください。
これは、ランニングで早く走りすぎると無酸素運動のレベルまであがってしまい、有酸素運動で消費したい脂肪が使われづらくなるためです。
いかがでしたか?
この夏に向けて、しっかりとしたダイエットを行い周りと差をつけましょう。
ダイエットに適した季節は、実は春と秋なので今が頑張り時ですよ。
健全にトレーニングをして、健康に脂肪を燃焼していきましょう。