身体が冷えやすい冬のみならず、気温の高い夏場も含めて年中悩まされる方が多い冷え性。
この問題が美容や健康面に多くの不調を及ぼす可能性もあるので、少しでも冷え性の症状を感じるようになったら早めの対処が必要です。
本記事では、冷え性の原因やそれが私たちの身体に及ぼし得る悪影響、効果的なケア等について解説していきたいと思います。
冷え性は多くの女性が悩まされる問題
冷え性とは、“普通の人が寒さを感じないくらいの温度でも、身体の一部や全身が冷えて辛いと感じる症状のこと”です。
およそ7~8割ほどの女性と、1割ほどの男性がこの問題に悩まされているそう。
男性よりも女性に症状が表れやすい理由は以下の通り。
- 体温を上げるほどの筋肉量がない
- 元々皮膚の表面温度が低い
- 月経中にお腹周りの血流が滞りやすい
- 貧血・低血圧の人が多い
- ワンピースやノースリーブ等、夏でも冷えやすい服装をしがち
- かかとの高い靴が足元の血行を悪化
これらのような女性特有の現象が、男性よりも冷えやすい身体を生み出しているのです。
冷え性の主な原因
自律神経の乱れ
体温調節機能を持つ自律神経が、疲労や睡眠不足、ストレス等を原因に乱れてしまうと身体が冷えた状態になってしまいます。
また、室内と外気の温度に高低差がありすぎる場合にも自律神経が乱れやすくなるので、空調に頼り切った生活にならないような意識も大切です。
ホルモンバランスの乱れ
特に、ストレスの多い方や更年期の方に見られる問題。
ホルモンの分泌量がアンバランスになることにより、血液循環が悪化して冷えを生み出す可能性があります。
筋肉量が少ない
男性よりも女性の方が冷え性になりやすい理由でも触れましたが、これは誰にでも共通の事項です。
実際、男性でも1割ほどの方は冷え性を発症しているので、運動不足によって筋肉量が減少すると冷え性になってしまう可能性は十分にあり得ます。
そうならないためにも、日常生活の中で適度に身体を動かす習慣をつけましょう。
冷え性が身体に及ぼす悪影響
人体に多くの悪影響を及ぼす冷え性。
具体的に、どんな症状が表れるのでしょうか。
- 抜け毛や白髪の増加
- くすみやたるみ
- のぼせや火照り
- 頭痛や倦怠感
- 肩こりや腰痛
- ニキビや乾燥肌
他にも様々な症状が確認されていますが、上記だけでもかなり美容や健康に悪影響を与えることが分かります。
冷え性に有効なケア
お風呂
冷えを改善するためにはサッと入って終わらせるだけでなく、30分程度かけて全身をじっくりお湯に浸からせることが大切です。
こうすることで身体の芯までしっかり温まり、入浴後の湯冷めを防止出来ます。
可能であれば週に1~2回はお風呂に入る習慣をつけてもらいたいですが、難しい場合には足湯だけでも取り入れるようにしてみてください。
足元から全身をポカポカに温められるので、非常に効率的な冷え性対策と言えます。
運動
体温調節機能を保持するには、筋肉量を増やす必要性があります。
筋肉自体に動かすことで熱を発する仕組みがあるので、その量が少ないほど必然的に冷えやすい身体となってしまうのです。
冷え性の方に多く見られる「足の冷え」は、簡単なストレッチや屈伸、スクワット等の自宅でも可能な運動でかなり改善していくことが可能。
さらに、自宅周辺を散歩するのも効果的です。
出来るだけ負荷をかけるイメージを持って体を動かしましょう。
食事
冷え性対策に最も有効とされる、バランスの良い食事。
食事から摂取したエネルギーのほとんどは熱になると言われており、食べる行為だけで体温を上げることに効果的です。
また、血行促進効果が期待される食べ物を積極的に摂ることで、さらに冷え性の改善が期待されるようになります。
身体を温める効果のある食材への知識を深め、日々の食事にそれらを用いた料理を加えてみてください。
ちなみに、身体を冷やす食材も調理方法によってあまり身体を冷やさず食べることが可能。
具体例を挙げると、身体を冷やすと言われる豆腐は“冷ややっこよりも湯豆腐”にする、“生野菜ではなく蒸し野菜”にする等といった方法があります。
他の身体を冷やしやすい食材にも、上記のような工夫を施すと良いでしょう。
暖房器具
普通の人でも寒いと感じる冬場には、暖房器具を使用して冷え性のケアを行うのが有効です。
温風が上方に行きやすいエアコンよりも、足元を中心に温めてくれるコタツや床暖房の方が効果的なので覚えておきましょう。
服装
季節に合わせてオシャレな服装を着用するのは普通のことですが、最近は冷暖房の進化によって身体が温度変化についていけない環境が増えています。
外気によって冷え性を発症、もしくは悪化されないよう夏でも冷房下ですぐに羽織れるカーディガンや首元に巻けるネックウォーマーを持ち歩くようにし、冬場も暖房の風が直接当たらないように吸湿性の高い下着を着用する等の工夫をしましょう。
また、小さめの服で身体を締め付けすぎてしまうと血流を滞らせる原因になり得るので、快適に着れるサイズ感の衣類を選ぶようにしてください。
靴についても同様です。
身体を温める食べ物
冷え性改善効果のある“身体を温める機能”を持つ食べ物の具体例には、一体どのようなものがあるのでしょうか。
かぶ
薬膳の世界において“胃腸を温める食べ物”として知られるかぶ。
冷え性対策には、加熱して温かい状態で食べるのがおすすめです。
加熱料理の一例は煮物。
かぶは煮ることにより、口の中でとろけてしまうほどトロトロの食感になります。
煮物だけでなく、味噌汁の具にプラスするのも美味しい食べ方です。
生姜
生姜は身体を温める食材の代表例です。
これには胃腸を刺激し、血行を促進するショウガオールが含まれます。
ショウガオールは加熱すると発生する成分なので、生のままで食べてしまうと冷え性の改善はあまり見込めません。
加熱する時間もポイント。
80~100℃で30分以上は火を通すようにしてください。
玉ネギ
玉ネギに含まれる硫化アリルには、血液循環を良くして身体を温める効果があります。
この成分には代謝促進だけでなく、発汗作用もあるそう。
ニラやニンニクにも同様の効果が期待されるので、いずれか取り入れやすい食材を日々の食事に取り入れてみてください。
アボカド
西洋医学において冷え性に有効とされるアボカドには、その症状に有効なナイアシン(ビタミンB3)が豊富に含まれています。
また、血流を促進するビタミンEの含有量も多いです。
身体を冷やす食べ物
身体を冷やす効果のある主な食べ物や飲み物を以下にまとめました。
・レタス
・ナス
・バナナ
・オレンジ
・白米
・パン
・白砂糖
野菜や果物だけでなく、主食の白米やパンにも身体を冷やす機能があるので注意が必要です。
また、白砂糖を使用している甘いお菓子も食べ過ぎないよう気を付けましょう。
冷え性改善には日々の意識が大切
以上、冷え性の原因やそれが私たちの身体に及ぼし得る悪影響、効果的なケア等をご紹介しました。
冷え性の改善には、日々の中でちょっとした意識を積み重ねていくことが大切です。
特に、“食べる”という行動だけで体温を上げられる食事によるケアは非常に効果的なので、すぐにでも始めることをおすすめします。
症状はすぐに改善されるわけではありませんが、継続的に生活習慣を変えていけば完全に解消することが可能。
今回ご紹介した数々のケア法の中で取り組みやすいものから始めてみてください!