今やネット注文を活用すれば自宅にいても物が手に入る便利な時代。
欲しいものを手に入れることで充実感を感じる方にとっては有難いことですが、自制できないほど買い物するようになってしまっては大変危険です。
もしも、すでにそんな状態に陥っているのであれば無駄遣いを繰り返す「買い物依存症」に陥っているかもしれません。
これは現代的な「疾患」の一種に該当し、ひどい場合には専門家による診療が必要となるほど進行してしまうと言われています。
早い段階で気付いて対策するためにも、少しでも不安がある方は本記事を見ながら自身の性格や行動パターンが買い物依存症になりやすい人の特徴として当てはまっていないかチェックしておきましょう。
買い物依存症を克服するための方法もまとめているので、目を通しておくとさらに安心です。
買い物依存症とは
買い物依存症とは言葉通り、“買い物に依存してしまう症状”のことを指します。
さらに砕けた言い方をすると、“異常なほど買い物をしてしまう精神疾患”のこと。
かつてはアルコールやたばこ、薬物等に依存する人たちに対して使われるイメージのあった「依存症」という言葉が、最近だとスマホや買い物といった現代的な問題にも使用されるようになっています。
買い物依存症になりやすい人の特徴
買い物依存症に陥りやすい方には、以下のような特徴が見られます。
自身の性格や行動パターンに照らし合わせ、自分がどのくらい発症しやすい人間なのかを確認するための目安にすると良いでしょう。
- 生真面目である
- 見栄っ張りである
- 自信がない
- 不要なものを沢山買ってしまう
- ポイントカードの保持数が多い
- 買い物のことばかり考えてしまう
該当項目が多い人ほど買い物依存症になりやすい傾向があるので、注意が必要です。
浪費癖との違い
注意して頂きたいのが、買い物依存症と浪費癖の違いです。
あくまで「癖」の一種である浪費癖は、無意識に行っている行動の中に浪費が当てはまっているだけ。
意識的に浪費を控えることにより、自力での解決が可能だと言われています。
浪費癖のない方からすれば偏った人に見えても、疾患というまでには至っていないので安心してください。
後に、買い物依存症の症状へ悪化してしまう恐れを避けるためにも日頃から自分の買い物パターンを見直すよう心がけ、早めに克服していくことをおすすめします。
- 支払いは現金払い
- 1か月の予算内でやりくりする
- 現金を必要以上に持ち歩かない
- ポイントカードや電子マネーを持ち歩かない
- 家計簿をつける
上記以外にも様々な方法がありますが、出来ることから継続的に取り組んでみましょう。
浪費が一切ダメなわけではなく、ちょっとした楽しみ程度の浪費であればむしろ取り入れた方が長期的な浪費癖を直していくのに有効です。
買い物依存症の原因
①ストレスが溜まりやすい社会
今日の情報社会に翻弄されながら生きているうちに、普段の生活での些細なことをストレスに感じる方が増加しています。
学生であれば勉強や友人関係に対する不満、主婦であれば夫や子供への不満、社会人であれば上司・同僚や会社に対する不満等、それぞれの立場において異なる原因から生まれるストレスが積み重なっていくうちに、その発散場所を買い物に向けてしまうようです。
②キャッシュレス化が進む支払い環境
キャッシュレス化が進む世の中において、支払いの際に現金でなくクレジットカードや電子マネーを使用している方は多いのではないでしょうか。
最近だとスマホで決済可能な電子アプリも無数に存在。
誰でも手軽に財布が不要な支払い環境を手にすることができます。
便利なことが増えるのに反してお金を使用している感覚が失われていき、自然と無駄遣いが増えてしまう方が多いようです。
③ネットショッピングの普及
インターネット化が進むと同時に、ネットショッピングが普及しています。
かつてはインターネット上での顔の見えないやり取りを警戒する方も多かったようですが、現在はテレビCMで大々的に宣伝が行われていることもあって認知度が急上昇。
わざわざお店まで足を運ぶことなく欲しいものが手に入り、時間にも制約されないこのシステムが日常に溶け込んでいます。
しかし、ネットショッピングもお金を使用している感覚が奪うものなので、無駄遣いを増やす大きな原因と言えるでしょう。
買い物依存症を克服する方法
①本当に欲しいかどうかを一度立ち止まって考える
買い物依存症を乗り越えるために最も重要とされる方法です。
何かを購入する時に少しでも迷いがある場合は、すぐに購入するのを控えて一旦クールダウンしましょう。
その後、一定期間かけて本当に欲しいのかを再考してみてください。
実際には3週間も待てない状況もあると思いますが、最低でも2~3日は検討するよう心がけてください。
②クレジットカードや電子決済アプリを作らない・破棄する
財布がなくても買い物できる便利な環境を身の回りから断ちましょう。
現金がなければ支払いできなくなることが増えるので、必然的に無駄遣いしてしまうお金が減ると思います。
お金を使っているという感覚を忘れないためにも有効です。
③家計簿をつける
浪費癖の改善法としてもご紹介しましたが、家計簿の作成は買い物依存症の克服にも効果のある方法です。
自分が日々使っているお金を把握することで無駄遣いの防止になるほか、使い道を改めるきっかけにもなると思います。
④他のストレス解消法を見つける
ストレスの矛先が買い物することに向いている場合には、他にストレスを解消できる方法が必要です。
友人との交流や趣味等、夢中になれるものを見つけることで買い物に熱を注ぐ時間が減れば無駄遣いも自然と減るでしょう。
⑤ネットショップの閲覧を控える
どうしても必要なものがネットショップにしかない場合を除き、インターネットでの買い物は控えるようにしましょう。
多数の魅力的な商品をチェックしていると、気になるものが増えると共に買いたい気持ちが高まってしまいます。
また、メールマガジンの登録をしていると調べなくても新商品の情報が次から次に飛び込んできてしまうので、解除しておくようにしてください。
⑥貯金する習慣をつける
貯蓄用の口座を作り、少額ずつでも良いので貯金する習慣をつけましょう。
その際、キャッシュカードを持ち歩かないことで万が一お金をおろして無駄遣いしてしまう恐れを防げます。
満期になるまでおろせないシステムなので、100%お金を貯めることが出来ます。
使うことよりも貯めることに意識を向かせ、買い物依存症の克服を目指す方法です。
⑦極端に買い物を制限しない
いきなり極端な買い物制限を始めようとして、それが原因でストレスを感じるようになってしまっては元も子もありません。
お金を全く使用してはいけないのではなく、あくまで無駄遣いを減らすことが目的であることを忘れないようにしてください。
自分にとって“価値がある”と判断出来るものに対しては積極的にお金を使うと良いでしょう。
⑧専門の医療機関で治療してもらう
症状が悪化していて自力での改善が難しい場合には、最終手段として専門の医療機関を受診する方法があります。
買い物依存症の原因は心理的なものであることが多く、精神科や心療内科に行くのが一般的なようです。
適切な取捨選択で買い物依存症を乗り越えよう
買い物依存症を克服するために最も大切なのは、買いたいものに対して適切な取捨選択が出来るかどうか。
放置しておくと無駄遣いがかさみ、自身の生活を圧迫するようなことになりかねません。
そんな最悪の事態を避けるためにも、今回自分が買い物依存症になりやすい人間、もしくはすでになっていると発覚したのであれば早めに改善に向けて行動を起こしていくことをおすすめします。
自力での改善が難しい場合には、必ず専門家を頼るようにしましょう。